かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

『日本書紀』の呪縛

2017年11月02日 | Books
ベイスターズ勝利!
あと2勝!



本書は、本と日本史というシリーズの第一作で、日本書紀を取り巻く様々な議論を分析し、日本書紀の本質を探ろうとする。

第二巻まで出てから読もうと思ったが、なかなか出ないので、まず本書。

しっかりした本で、よかった。
日本書紀の意義、その重要性を認識しつつ、類書の分析を行い、その限界を感じつつも、日本書紀の抜きん出た存在感を証明する。

その後出た本は、いいが?その前に出たと言われた本が次々と偽書の認定を受ける中、日本書紀を上回る本はない。
中で、やはり古事記は群を抜くが、それでも記紀と呼ばれるように、並び立つところまでしかいかなかった。

日本霊異記は、異色を放つ。
当時の別世界を描いていて、政治が絡まず、当時の思想を反映している。

これ以上新しい資料が出ない中、同じところをこね繰り返しているような気もするが、だからこぞ、古代史は面白い。
当時の人には、単なる記録ではなく、将来の自分にも影響するものだったため、日本書紀で虐げられた氏族は、異書で復権を図ったという。

推測ではなく、残された書の分析からの議論なので、説得力もある。

古代史ファンは、一読すべし。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする