さいばい日誌

放流用のマダイやアワビなどを育てる種苗生産の現場をご紹介します。

キャベツによるサザエの蓄養

2018-07-20 13:58:11 | 貝類生産
先日もご紹介しましたが、現在サザエの採卵を行っています。

採卵用の親貝は、漁業者(組合)から購入していますが、
そのやり取りの中で、最近サザエが痩せている、という話を聞きました。

せっかく獲れたサザエでも、痩せていて軽ければ収入にも響いてきますし、消費者の反応も悪くなります。

そこで、以前から試行しているキャベツによる貝類飼育試験の応用で、親貝にもキャベツを与えてみました。


サザエを収容したカゴにキャベツを入れていきます。


キャベツは浮いてしまうので、蓋つきのカゴを使用します。


ヨコから見るとこんな感じ。


ストレスを軽くするため遮光して、水回りを良くするためにエアレーションを施します。

キャベツは2日程度で食べきってしまうので、
随時入れなおします。


1週間おきに一部を取り出して茹でて、身入りと食味を確認します。


1週間目で既に食感は柔らかく食べやすくなりました。
2、3週間目に、市場で購入したばかりの親貝と比較してみたところ、
あくまでも当協会職員の感想ですが、柔らかく甘みが出てきました。
まだ1回目なので、もうしばらくキャベツ飼育を続けてみようと思います。

うまくいけば、痩せて売りにくいサザエを漁港や市場で蓄養して出荷する、というのは実現可能かもしれません。
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