資格マニアの徒然草ブログ

目標としていた70歳で五百資格、2年前倒しで達成しました、これからはジャンルに関係なく、徒然なるままに書いていきます。

エントロピーは常に増大する、はて?

2017年12月10日 | ガス主任技術者資格とその活用
「物理・化学」の法則・原理・公式がまとめてわかる事典 (BERET SCIENCE)
クリエーター情報なし
ベレ出版

 私は、ガス主任技術者の受験支援を仕事にしている。ガス主任は、法令、基礎理論、ガス技術とと全く違う科目を学習する。一番質問の多いのが、基礎理論だ。いろいろな物理化学の公式の意味を問う正誤選択、公式を使った計算問題が出題される。この公式は結構難しいものが多い。意味の深い理解が難しいものだから、公式を丸暗記する受験者も多い。

 今日は、そのうち、エントロピー。ちなみにエントロピーとは、エン(エネルギー)とロピー(変化)の合成語だ。つまりエネルギー変化量とでも言うかな。エントロピーの説明は通常、熱力学の第2法則で登場する。第2法則とは、いろんな表現があるが、「熱が高温から低温に何の変化も残さないで移動する過程は不可逆変化」だ。熱が低温から高温に変化することもあるのが可逆変化、これは自然現象ではありえない。ヒートポンプのように他からエネルギーを与えないといけない。

 エントロピーSの公式は、「S=Q÷T」 Q:微小熱量 T:温度 だ。そして「不可逆過程では、エントロピーは増大する」と。ガス主任のテキストに載っている記述だが、これ、なぜそうなるのかよくはわからなかった。いわゆる丸暗記していた。

 そこで写真の書籍が登場。この本には例題が書かれている。高温熱源(温度はTHとする)、から低温熱源(温度はTLとする)に熱が移動した。この時、系全体のエントロピーはどうなるか。

 高温熱源はエントロピーはQ/THだけ減り、低温熱源はQ/TLだけ増える。系全体がどうなるか、全体を足し算してみると、 +Q/TL-Q/THだ。式を変形すると、Q(1/TL-1/TH)となる。分母にあるTLよりTHの方が数字は大きい(高温)だから、Q(1/TL-1/TH)は必ずプラスになる。マイナスにはならない。プラスということは、系全体では増加である。これが、「不可逆過程では、エントロピーは増大する」の意味なのか。

 可逆過程では、低温熱源から高温熱源にも戻ることがあるため、変化量はプラスとマイナスが合計されて、系全体のエントロピー変化はゼロだ。つまりエントロピーは一定となる。

 今日は文科系の方は難しかったかな。このブログの読者には、ガス主任技術者の受験生もいるだろうから、この記事を書きました。これからも時々書きます。つまらない方は読み飛ばしてください。

 

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