利き酒師の学習が本格化してきた。今日は日本酒の製造方法の話。日本酒の製造方法は、何と19ものステップがある。そして少なくとも約3か月間かかる。秋に新米ができるから、作るのは真冬だ。
その中でもポイントになるのは、麹造り、酒母(しゅぼ)造り、またはもと造り(もとは、酒へんに元)ともいう。そして醪(もろみ)造り。
このうち酒母造りは、乳酸をどのように得るかによって2つの作り方に分かれる。キモト系酒母と速醸系酒母。速醸系は、液体状の乳酸を加えて素早くタンク内を酸性に変える。明治時代に国立醸造研究所で開発された手法だ。
もうひとつのキモト系酒母は、作業工程の違いで、キモト、ヤマハイモトに分かれる。キモトは明治以前に造られてきた伝統的な方法で、コメの糖化を早めるために、コメをすりつぶしていた。ところがこの作業、ヤマというが、重労働で、何とかこの作業を止めれれないかと、ヤマを廃止して、醸造試験所で実験をした結果、ヤマを止めても成分の違いはない、ということになり、ヤマを廃止するようになった。
現在の日本酒は、速醸系が90%、ヤマを廃止したキモト(略して、ヤマハイ)が9%、昔ながらのキモトは1%の比率だそうだ。
う~ム、それでヤマハイ(山廃)というのか、速醸系に比べて稀少価値があるため、差別化で使われているようだ。ようやく意味が分かってきた。ちょっとはウンチクを語れるようになってきた!