安倍首相の「結果を出す」という言葉

昨日の安倍首相の「首相退任の弁」で耳の残っている単語は「結果を出す」とか「出せない」といった語。これを引用しよう。

「政治においては、最も重要なことは結果を出すことである。私は、政権発足以来、そう申し上げ、この7年8か月、結果を出すために全身全霊を傾けてまいりました。病気と治療を抱え、体力が万全でないという苦痛の中、大切な政治判断を誤ること、結果を出せないことがあってはなりません。国民の皆様の負託に自信を持って応えられる状態でなくなった以上、総理大臣の地位にあり続けるべきではないと判断いたしました。」

この語は、例えば他国と戦争することになったなどという場合には使えないだろう。しかしある政治の結果なのだから「結果を出した」例の一つに違いない。

「アベノミクス政策」を数年続けてきた。「国民の所得は倍増し、失業者などもいなくなった」という政治的な結果(成果)  を生み出したというような場合には「結果を出した」と言えるだろう。だからこの言葉はある政策をすすめたその結果が国民の幸福が増大した、というような意味で使われるはずだ。前者の例(戦争)ではダメだ。

安倍演説の短い文節の中で2度も出ている。「結果を出す」という語は、広辞苑の第七版にもまだ採用されていない「新しい語」ではないか。
安倍首相は「国民の幸福を増進させるつもりで7年余取り組んできた。しかしその成果を出すことができなかった。だからその責任をとって退任します」と言っていたのだ。
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