四国の覇者、長曾我部氏(「夏草の賦」)

このブログで何度か、司馬遼太郎という作家の作品を読んだ感想などを記してきた。今読んでいるのは「夏草の賦」(上下)。主人公は、織田信長の家臣の妹である菜々という今でいえばミス日本というような美人。この人がはるか離れた別世界である土佐の長曾我部元親に嫁ぐ。

そして元親は土佐は抑えるのだが、四国全体を征服するに至らない。菜々はこの夫の動きにいらいらする。

そういう戦国時代の、どちらかと言えばあまり話題にのらない所の、しかも女性の生き方が中心になって話しは展開するのだが、戦国の世での四国の位置とか女性の役割やその地位なども文字どおりドラマティックに展開されて面白い。

織田信長とか豊臣秀吉など、大河ドラマの主人公としても何度も登場するが、四国の大名、しかも戦国が終わると歴史の主要な舞台から消える長曾我部などはあまり関心がなかった。この小説を読み進む中でこういう地域で生き、また何とかして歴史の部隊にのし上がろうと闘う人たちのエネルギーと喜怒哀楽が描き出され、歴史の表に初めて浮かび上がる、感。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 小室圭さんと... コロナ禍とマスク »