ロシアのプーチン大統領の戦勝記念日演説

プーチン大統領が5月9日の対独戦勝記念日に行った演説は(まだテレビ放映の範囲でした理解できていないが)、大方の予想に反して、大戦争に踏み切るぞ、といった類いの内容ではなかった。「内向き」の確認レベルだったというコメントが印象的だ。

プーチンが言っているネオナチ勢力と戦っている、というのは、それこそロシアの人たちへの意見表明だ、というのは私レベルでもわかる。ロシアのウクライナ侵攻はまさに数十年前のヒットラーの対ソ連侵略を彷彿とさせるものではないか、と思っていた。しかしプーチンは「オレたちはウクライナのネオナチ政策を阻止する」といった開戦理由を強調していた。

第二次大戦でうけた犠牲・被害の概数は、次の通り。(高校歴史資料)。
最大は中国で2100万人、次いでソ連が2010万、ドイツ(最大の加害者だったが)1050万、日本(ドイツと共に加害者)が600万。
こういう歴史的実態から、ロシア人がドイツのヒトラーを頂点とするナチス勢力に対してもっている深刻な印象は充分理解できる。しかしだからといってウクライナをネオ(新という意味)ナチ勢力と規定できるわけではない。

今のロシアや北朝鮮、あるいは中国などのような専制国家の政治の方向がややもすれば戦争(侵攻)の方向に行きかねないことを危惧する。しかしアメリカだって、第二次大戦後の局地戦争に重大な責任を持っていたと言えるケースもあったはずだ。そのあたりを含めて、かつてドイツとともに加害者だった日本はしっかりとふまえて世界に向けて発信していかねばなるまい。
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