呉市かまがり天体観測館

呉市かまがり天体観測館のブログです。
イベントや星空情報等を掲載していきます。

ふたご座流星群をみよう

2015-12-12 13:08:42 | 星空情報

今日から数日間はふたご座流星群が見頃です。

夜は寒さが厳しい季節ですが、流星群の観察にチャレンジしようと
思っている方は以下を参考に頑張ってみてください。

まず、流れ星はいつどこを流れるか分かりません。ですので、とにかく
空の広い範囲を見ておく方が出会える確率が上がります。

そして、空の低いところは雲や街明かりの影響を受けやすく、暗い流れ星
が隠されてしましますので、なるべく影響を受けない場所・工夫をして
観察するのがよいです。

また、流星が輝いている時間は平均すると約0.2秒間です。流星群に属する
流星の場合、流れ星の軌跡を後戻りすると1点に集まります(放射点と言い
ます)。基本的にはこの放射点がどの星座にあるかで、流星群の名前が決め
られていますが、放射点の近くを見ていると短い流れ星ばかり見えてしまい
ます。今回で言えば、ふたご座付近を観察するよりは、ふたご座から少し
離れたところを観察した方が長い流れ星に出会える可能性が高くなります。

以上のことを考慮すると、今回の流れ星観察のコツはこうです。

1. 東を向いてから、そのまま仰向けに寝転がる(足が東、頭が西)
2. 空の一番いところを中心に、広い範囲をぼぅ~っと見る(キョロキョロしない)
3. 流れ星が流れたら、そちらを向いて観察する

これで、流れ星に出会える確率はかなり上がると思います。もちろん、
長い時間観察すればするほど、たくさんの流星に出会える可能性は高く
なります。

2015年のふたご座流星群は12月14日(月)の夜から15日(火)の朝にかけて、
がピークを迎えます。ピークの予想時刻は15日(火)の午前3時頃です。
しかも、今年はここ数年で最高の条件が整いますので、期待通りの活動を
示してくれれば、1時間に数十個もの流れ星を見ることができそうです。

今回を見逃すのはもったいないくらいです。

ただし、この時季は夜になると想像以上に冷え込みますので、これでも
かというくらいの防寒をしておくことと、温かい飲み物などを用意して、
寒さで観察ができなくならないように、しっかりと準備して臨んでください。

あとは天気次第です。

おまけ
流れ星を観察する時に注目する点は、明るさ、色、方向に加えて、
流星痕と呼ばれる流れ星が流れた後の残光です。双眼鏡などで
流星痕を観察すると、実に面白いですよ。

頑張って観察してみてください。






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とかげ座

2015-12-11 14:03:55 | 星空の楽しみ方

今日は秋の星座の1つである「とかげ座(Lacerta)」を紹介します。





稲妻のような形をした星座です。とても暗い星ばかりで形作られており、
形も分かりにくいため、この星座を見つけるのは非常に困難です。

とかげ座の中には、肉眼や望遠鏡、双眼鏡での観察で楽しめるような天体は
ありません。しかし、天文学の研究上では非常に興味深い天体があります。
それは、ブレーザーと呼ばれる天体で、非常に遠方にある活発な銀河とそこ
から噴き出るジェットをほぼ正面から見ているものだと考えられています。
この種の天体には相対論的効果による増光や(見かけ上の)超光速現象、
変光、偏光などが発見されています。





とかげ座には特に星座の神話はありません。


この星座を見つけられるようになったら、もう何も言うことはありません。
ぜひ見つけてみてください。





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金星周回軌道への投入成功

2015-12-10 13:12:03 | 天文ニュース

12月7日(月)に行われた金星探査機「あかつき」の軌道投入が
成功したことが分かりました。

当初の予定から5年遅れ、軌道も予定していたものと違うものと
なってしまいましたが、日本初の他惑星を周回する人工衛星の投入
に成功したことには変わりありません。

あかつきは金星に一番近づいた時は約400km(およそ地上と国際宇宙
ステーションの距離)、一番遠ざかった時は約44万km(およそ地球
と一番遠い時の月の距離)の軌道を13日と14時間で回ることになり
ました。

早速送られてきた画像を見ると、金星の精細な姿が映し出されており、
来春頃から開始される本観測以降には、様々な発見や謎の解明をして
くれるのではないかと期待が膨らみます。



7万2千kmの距離から紫外線で写した金星(画像:JAXA)



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油井宇宙飛行士、帰還へ

2015-12-09 13:54:07 | 天文ニュース

現在、国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗し、様々な任務に
あたっておられる油井宇宙飛行士が、約5ヶ月間の宇宙での
活動を経て、12月11日(金)22時12分に地球へ帰還すること
が決まりました。

帰還の様子はネットでライブ中継される予定ですので、
ご興味のある方は、ぜひご覧ください。

詳しくはこちらへ






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スイングバイ

2015-12-06 13:48:22 | その他

12月3日、小惑星探査機「はやぶさ2」が地球スイングバイを
実施し、小惑星「リュウグウ」へと旅立ちました。

スイングバイとは天体の重力を利用して、探査機を増速したり、
減速したり、また方向転換をする方法で、探査機に搭載する
燃料を大幅に節約できるため、宇宙探査の世界では、とても
重宝される技術です。ただし、位置・速度をとても正確に制御
しなければならないため、そんなに簡単な技術ではありません。

天体の公転方向に対して後方を回れば、探査機は加速され、
前方を回れば、探査機は減速されます。

加速の場合、地球の公転エネルギーが探査機に与えられているので、
地球はエネルギーを失っており、厳密に言えば、ごくわずかに地球
の軌道が太陽に近づいて、公転速度は速くなっているはずです。
つまり、今回のはやぶさ2のスイングバイによって、地球の1年は
短くなったということです。

それでもあまり気にすることはありません。探査機に比べて地球は
とても重いので、その影響力はごくごく小さいからです。

12月7日にはあかつきの金星への周回軌道投入が予定されているなど、
これからも数々の宇宙探査が行われていくことと思います。スイング
バイは宇宙のたくさんの謎を解くため、新しい技術の開発のため、
これからの人類の発展のためと、様々な目的で行われる宇宙での探査
の中で、重要な位置づけを持っている技術の1つです。

これも四則演算+αの計算知識で解けますので、中学生以上で興味が
ある方は、はやぶさ2のフライバイで、どのくらい地球の1年が短く
なったのか考えてみるのも面白いと思います。


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