12月3日、小惑星探査機「はやぶさ2」が地球スイングバイを
実施し、小惑星「リュウグウ」へと旅立ちました。
スイングバイとは天体の重力を利用して、探査機を増速したり、
減速したり、また方向転換をする方法で、探査機に搭載する
燃料を大幅に節約できるため、宇宙探査の世界では、とても
重宝される技術です。ただし、位置・速度をとても正確に制御
しなければならないため、そんなに簡単な技術ではありません。
天体の公転方向に対して後方を回れば、探査機は加速され、
前方を回れば、探査機は減速されます。
加速の場合、地球の公転エネルギーが探査機に与えられているので、
地球はエネルギーを失っており、厳密に言えば、ごくわずかに地球
の軌道が太陽に近づいて、公転速度は速くなっているはずです。
つまり、今回のはやぶさ2のスイングバイによって、地球の1年は
短くなったということです。
それでもあまり気にすることはありません。探査機に比べて地球は
とても重いので、その影響力はごくごく小さいからです。
12月7日にはあかつきの金星への周回軌道投入が予定されているなど、
これからも数々の宇宙探査が行われていくことと思います。スイング
バイは宇宙のたくさんの謎を解くため、新しい技術の開発のため、
これからの人類の発展のためと、様々な目的で行われる宇宙での探査
の中で、重要な位置づけを持っている技術の1つです。
これも四則演算+αの計算知識で解けますので、中学生以上で興味が
ある方は、はやぶさ2のフライバイで、どのくらい地球の1年が短く
なったのか考えてみるのも面白いと思います。
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