久しぶりに計算をしてみましょう。
安心してください。小学校で習う+、-、×、÷ ができれば、
バッチリ解けてしまいます。
今日のテーマはブラックホール(BH)。
BHは世の中で一番速く動くことができる光のスピードでも抜け出すことが
できないほど重力の強い天体のことです。とても大きな星が死んだ後に
できる星の残骸です。光速で抜け出せるのか、抜け出せないのかの境界が
BHの表面なので、そこに何かモノがあるわけではありません。
BHには特徴が少なく、毛が3本と言われます。
質量・回転・電荷しか見分ける術がないからです。
ここでは、回転と電荷を無視して質量のみで考えていきます。
では、問題です。
※書き方やゼロの扱い方は以前の
ブログ記事で説明していますので、
ここでは省略します。
もし、宇宙に太陽と同じ質量のBHがあったとしたら、その大きさは
どのくらいになるのでしょうか?
これを解く式は、
(BHの半径) = 2×(重力定数)×(質量)÷(光速)^2
です。
ここで、
・重力定数 : 0.000000000067 [m^3/kg/s^2] = 6.7×10^-11 [m^3/kg/s^2]
・光速 : 300,000,000 [m/s] = 3.0×10^8 [m/s]
ですので、すでに分かっています。
分かっている数値を入れて、式を整理すると、
(BHの半径) = 2 × 6.7×10^-11 ×(質量)×(3.0×10^8)^2
≒ 1.5 ×(質量)× 10^-27 [m]
となります。とても単純な式になりましたね。
つまり、質量を1.5倍して、ゼロの数を27個調整すれば、BHの大きさが
分かってしまうのです。
では、太陽の質量で考えてみましょう。
・太陽の質量 : 2.0×10^30 [kg]
を上の式に入れて、計算するだけです。
(BHの半径) = 1.5 × 2.0×10^30 × 10^-27
= 3.0×10^3 [m]
できました!答えは3,000m、つまり3kmです。
太陽がもしBHに変わってしまったら、直径6kmの大きさのBHが出来上がる
ということです。う~ん、現在の太陽の直径が140万kmだということを考え
ると、とても小さい…。太陽全部を直径6kmの範囲に押し込めないとBHは
出来上がらないということですね。
この(質量)のところに地球の質量を入れれば、地球がBHになった時の
大きさ、自分の体重を入れれば、自分がBHになった時の大きさを導き出す
ことができます。逆に、大きさの分かっているBHがあれば、その大きさ
からBHの質量を計算することもできます。
様々な質量・大きさを入れて計算してみると面白いと思いますよ。