ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

雨模様の北東北の旅(4)~ 八幡平

2013-10-13 08:37:27 | 旅日記

10月8日(火)昨夜の「天気まつり」では飲み足りなかったのか、祈りも空しく夜半から雨が降り続いている。早くも今年26号の台風が影響しているらしい。8時バスで出発。

十和田湖畔を走り発荷峠から十和田湖を見下ろす。晴れていれば絶景の展望台だが、湖面が見えているだけでよしとするか…。峠を下ると真っ赤な鈴なりのリンゴ畑や、古代のピラミッドと言われている三角錐の山など見ながら八幡平を目指す。


 

登るにつれ次第に激しさを増す雨に、楽しみにしていた今日の山頂ハイキングは遂に中止になる。ビジターセンターで二人のガイドさんを乗せて、一応山頂まで登って行く。アオモリトドマツが雨に濡れている。上に行くほど風や雪のせいで丈が低くなり、葉は三角旗の形になるという。


 

バスの中で雨具をつけて、頂上ターミナルから外に出てみる。晴れていれば、時には月山まで見える好展望台だそうだが、濃い霧に雨まで加わり何も見えない。すぐ近くの秋田・岩手県境の写真を撮ってバスに帰る。


 

添乗員さんとガイドさんが相談の結果、後生掛温泉近くの自然観察路を歩くことになった。後生掛は周辺に数ある温泉の中でも「馬で来て足駄(ゲタ)で帰る後生掛」と言われ、今も湯治客の絶えない名湯である。


私たち第1班のガイドは「71歳の元気なお爺さん(添乗員の言)」Wさん、ゆっくりと丁寧に説明してくれる。最初に大小の噴気孔が二つ並ぶオナメモタメを見る。この辺りの方言で「オナメは本妻、モタメは妻妾」のことである。昔、ここで牛飼いをしていた青年が重病にかかるが、巡礼旅の娘の手厚い看病で命を取り留め、やがて二人は結ばれる。ところが、この男には何とあの岩手の「久慈」に妻と子供までいたのだ。ジェ!、ジェ!!、ジェ!!!である。ある日、妻が訪ねてきたので娘は妻子の幸せのために噴気孔に身を投げる。その思いに打たれた妻も大きい方の噴気孔に後生を掛けて投身…。後生掛温泉の地名はここから生まれた。それにしても後に残された子供が不憫だなあ。


紺屋地獄は湯沼ともいい、染物屋が染料を煮る様子に似ていることから名付けられた。左の丘の上に十字架が立っているのが見える。十字架岩といい世界平和を祈って近頃立てられたものらしい。


小坊主地獄。噴気孔、マッドポッド、温泉がたくさんある。


  

何年か前の大雨で山崩れがあり、途中で分断された。


大湯沼。紺屋地獄のような小さな池が集まって形成された。盛んに噴煙や音を上げている。西の方の活動が活発で、こちらに広がりつつある。


中坊主。この辺りは特に活動が盛んで、道の両側でブツブツと音を立てて泡が出ていた。


泥火山。地上に出ているのは1mほどだが、地下に7~8m続いている。数年に一度爆発する、れっきとした火山である。


 

ここからは帰り道となり、赤や黄の紅葉の中を紺屋地獄まで円を描くように歩く。右は昔、硫黄を採掘したところで見た典型的な噴気孔である。


一周約40分のウォーキングを終えてバスに乗り、下山の途中でビジターセンターのある大沼で下車。


  

添乗のIさんは、センターでジオラマや写真展示を見る人と分かれて「ちょっと覗くだけ」を頼んだらしいが、Wガイドさんは張り切って、早足になるがと断った上で池の周囲を30分ほどで一周してくれた。八幡平は何度か訪れないと良さは分からないという。機会があれば八甲田山も含めて再訪してみたい。


秋田空港で最後の買い物をして、17時発のJAL機に乗り、途中羽田で乗り継いで伊丹に帰る。雨にたたられはしたが、これも思い出に残るだろう北東北3日間の旅だった。