ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

雨模様の北東北の旅(2)~ 八甲田山・酸ヶ湯コース

2013-10-11 08:44:39 | 旅日記

湯瀬温泉の朝は雨で明けた。8時、八甲田山へ向けて出発。

 

途中の花輪は花輪ばやしと「きりたんぽ発祥の地」として有名な処である。車窓から見る岩木山は大きな雲の帽子を冠っていた。酸ヶ湯への分岐から八甲田ゴールドラインに入ると間もなくロープウェイ山麓駅に着く。


 

定員101人乗りのゴンドラは標高差約600mの山頂公園駅まで約10分で運び上げてくれる。ここは田茂萢(たもやち)岳の一角で池や沼が散在し、夏は多くの高山植物が見られるところである。駅を出たところにある説明板にはゴードラインと呼ばれる周辺コースの案内図と毛無岱の説明図があり、毛無岱へは登山道である程度の装備と体力が必要などと書いてある。


見下ろすと毛無岱が上下二段に分かれていることがよく分かる。(左の薄茶色の処が上毛無岱、右が下毛無岱)

12人づつのグループに分かれて、私たちは若い女性ガイドに先導されてゴードラインに入る。標高1300mの平坦な湿原には木道が続き、まず赤倉岳を正面に見て歩く。田茂萢の中を歩くこのコースは8の字型になっていて、中央の交差で引き返すと短縮コースになる。


山頂駅から30分ほどの交差点付近には展望台があり、八甲田山の赤倉岳(1548m)、井戸岳(1550m)、最高峰の大岳(1585m)が並んで見える。幸い雨は止んでいるが、大岳の山頂は雲に覆われている。


  

少し山道らしくなり、湿原帯からアオモリトドマツなどの森林帯に入る。時々左手が開け、陸奥湾を望むことができる。


 

ゴードラインの終点(8の字の頂点)から笹原の中をしばらく登り、分岐で右に折れる。ここを直進すると赤倉岳へ登る道である。ここからガラガラの岩道になり小さな沢を三度ほど渡る。


 

次の分岐も右へ。左へ行くと大岳のコルにある避難小屋からの道が下ってきている。正面に大岳が見える。八甲田山というからには、あと90分のプラスで行ける赤倉~大岳の稜線を歩いて見たかったが、ツァーでは致し方ない。また今日の天気では展望もないだろうと諦めもつく。右の田茂萢岳を歩く人影を見上げながら歩く。


また木道が出てきたら上毛無岱。ここまで田茂萢湿原から40分ほどだった。南八甲田の山々を背景に、池塘にトドマツが影を写している。


ここから下毛無岱へ長く急な木段の下りが始まる。オオカメノキ、ナラ、ブナ、クヌギなど赤・茶・黄色に染まった木々の中の道で、眼下には絵にも描けないように美しい湿原が広がっている。


 

立ち止まって写真を撮りたいが、後ろの班が追ってくるのでままならない。後ろのガイドが「下りきるまで絶対に振り向かないで…」と言っている。


下りきって振り仰ぐと、なるほど待っただけの甲斐があって、今降りてきた上毛無岱からの道が通る山肌は息をのむように見事な紅葉だった。


 

しばらく休憩して写真を撮っているうちに雲行きが怪しくなり、今まで見えていた上の台地に雲がかかってきた。


(Photo by Miwako-san)

ここからは、しばらく木道が続くが、やがて急なごろごろ石の山道になる。下毛無岱から45分、最後は足を痛めた人がいたほどの急下りだった。


2時間半ほどのハイキングを終えて酸ヶ湯(すかゆ)に着くや、待っていてくれたように雨が降り出して、1時間ほど風呂に入ってバスに帰ると、遂に本降りになった。