ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

私の関西百山(2) 横山岳

2013-10-21 11:14:06 | 私の関西百山

2.横山岳(1132m)  <伊吹山地>

三滋賀県伊香郡木之本町と余呉町の境。岐阜県との県境から南西に派生する尾根上に位置する大きな山容の双耳峰である。古くは白山修験道の流れを汲む山岳信仰の霊場であったという。

<山開きの日>
2000年5月21日(日)は、たまたま山開きの日であった。満員の白谷登山口駐車場に車を置き、いくつも美しい滝を見ながら白谷ルートを登る。何度か流れを渡り返して、空海が大般若経を書写するのに身を清めたという経ヶ滝に着く。水量が多く堂々と飛沫をあげている。休んでいると、御幣を担いだ神主を先頭にした地元の人が続々と登ってきた。ニリンソウ、イチリンソウ、ヤマルリソウ、キランソウ、ユキザサ、ホウチャクソウ、エンレイソウ…。花の多い山で、前を行く人に聞くと50種類は咲いているそうだ。

30分ほどで五銚子ノ滝に着く。御幣は、銚子の形をした五段の滝が落ちる中央の岩に捧げられた。『滝の左手の草原の道を登る。胸を突く急坂になり、突き当たりの岸壁を右にトラバース。固定ザイルを伝って滝の落ち口にでる。ここからも何度かロープや木の根を掴んでの急登が続く。ぬかるんだ道を大勢で歩くので、ずるずる滑り歩き難い。』大部隊に追われながらもヤマシャクヤクやイカリソウなど、次々現れる花々に疲れも感じず快調に登る。若葉が美しいブナ林に入って傾斜が弱まると山頂は近い。


標高差900mを登り切った山頂は人で埋まり、ともかく食事場所を確保するのに大変だった。頂上から見る『奥美濃の山々はガスに包まれている。さっき、「能郷白山が見える」という声がしていたが、どの山だろうか。反対側には墓谷山、遠くに琵琶湖面が光っている。頭上には爽やかな青空が拡がってきた。』
 下りは墓谷山に続く三高尾根のコースをとる。ブナの大木が並ぶ中、滑りやすい急な道を下って鳥越のコルにでてる。コエチ谷に下り、しばらく林道を歩いて朝の駐車場に帰った。地元の「杉野山の会」の皆さんのお蔭で、登山道も安全に歩けるように整備され、花の種類も多くて素晴らしい山だった。

 三高尾根より横山岳山頂を振り返る