ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

爽秋・木曽駒ヶ岳(2013.09.27)

2013-10-01 20:56:03 | 山日記

今回も丸さん車のお世話にになり、駒ヶ根ICを出て駒ヶ岳高原菅ノ台バスセンターに駐車。バスで「しらび平」に向かう。
 

11時20分発のロープウエイは左手に「ひぐらしの滝」や大滝、右手にも大小の滝を見下ろしながら高低差950mを7分30秒で千畳敷駅に到着する。


  

千畳敷カールの大標識の前で記念写真を撮っているツァー客らと分かれて、ホテル千畳敷東側のベンチに腰を下ろして、まずは腹ごしらえ。




空は真っ青に晴れ上がり、目の前には鋸岳、甲斐駒から仙丈ヶ岳、白根三山、富士を挟んで更に右に塩見岳…と居並ぶ南アルプスの贅沢な眺めをほしいままにしながら昼食を済ませる。




駒ヶ岳神社からカールの北側を八丁坂に向かう遊歩道は、行き交う人で混み合っている様子なので剣ヶ池の方へ下る。道の両側には真っ赤な実を付けたナナカマドが並んでいて、その上に青空を背にした宝剣岳が聳えていた。


剣ヶ池から八丁坂入口の分岐までは僅かな登りだが、腹が膨れたせいか足が重い。散策路をきて乗越浄土まで登る気になる軽装備の人もいるが、ここまでに比べるとハイカーの数もぐんと少なくなる。


(Photo by Maru-san)

 道は次第に険しくなり、ゴロゴロの石に金網を被せてあったりする。風邪気味で体調は今一つだが、ゆっくりと休まずに登り続ける。最後に岩棚状になった処は長い板のハシゴや、急な階段が設けられている。

 

(左. Photo by Maru-san

 登りきった乗越浄土には数人の人が休んでいた。お馴染みの大きな標識は壊れていて、文字が読めなくなっている。

 

予約してあった天狗山荘に余分な荷を預けて、木曽駒ヶ岳に向かう。午後になってガスがでてきたが、雨の心配はまず無さそうだ。広い岩礫の平には青いロープが張ってあり、それに沿って中岳へ登る。途中で左への捲き道があり、「難所あり冬季は通行禁止」の標識が出ている。単独の登山者に様子を聞くと、「ちょっと危ないところがあるので、まっすぐ行かれた方がいいですよ」とのことだった。


  

中岳頂上の祠に手を合わせ、更に最高点まで登ると本峰とのコルへの急な下りになる。広いコルには青い屋根の頂上山荘が建ち、その横がテント場で一張りのテントが見える。その上に本峰の頂きが高い。

 

 

コルで夫婦連れに出会ったが、ご主人は奥さんを置いてさっさと先に登って行った。後で山頂近くを降りてくるご主人に出会ったが、奥さんはとうとう引き返されたようだ。ハイマツの緑の中の道を登る。頂上直下で先頭の♀ペンがハイマツの中に鳥を見つけて写真を撮っていると、後からきた十数人のパーティに追い越された。先頭の女性ガイドは「イワヒバリです」とニベもなく吐き捨てて三角点に行ってしまった。雷鳥でなくても見せてあげればいいのに…。


  

山頂の三角点と方位板(字が消えて読めない)付近は、このパーティ(福岡からきた山の会)が記念写真を撮り合ったりしているので、先にヒノキ材作りの
駒ヶ岳神社に参拝する。先ほどからのガスに加えて風が出てきて肌寒さを感じる。木曽側から登ってくる道を見ると、先輩たちと4人で夜行で木曽福島、タクシーで駒ノ湯に来て、夜明けから雨の中を登ったことを思い出す。50年以上前の、もちろんロープウエイがない頃は木曽側からの登路が一般的だった。

 

大きな山名柱で先ほどのガイドさんにシャッターを押して貰い、後でお返しにパーティ全員の記念写真のシャッターを押した。

 

 

ここを境に先に参拝したのが木曾の、中岳側の石に囲まれた祠が伊那の神社である。パーティが下山したあと、しばらく山頂でのんびりしていたが、霧は晴れず残念ながら展望は全くない。次のパーティが登ってきたのを汐に下山する。


 

 

中岳への登り返しは見るだにアルバイトが偲ばれるので、丸さんの同意を得て右手山腹の捲き道に入る。入口に冬閉鎖用のクサリがある。前方の岩峰が霧に見え隠れし、右手が切れ落ちてかなり高度感があるが、霧のお蔭でそれも減少される。私たちはこれまで何度か通っているが、岩に慣れない他の二人に
は不安を感じるよう難所もあったが、無事に通過して合流点に出る。

 

小屋に入る前に天狗岩の前で休んでいると、雲が流れて青空が見えだした。夕食を終えて個室に入る。東に面した窓から満天の星空を仰ぎ、遅くにはオリオンや月も昇ってきた。美しい山の夜空の饗宴に満足して眠りについた。