ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

鈴鹿7マウンテン(7)-雨乞岳

2008-08-27 09:43:42 | 四方山話
雨乞岳(1238m)

愛知川源流に大きく根を張る双耳峰です。山頂の樹林帯にある小さな池で雨乞いが行われていたのが、山名の由来です。

1991年9月22日
 <コースタイム> 登山口7:37……8:37愛知川源流(朝食)…10:07七人山コル10:18…10:56東雨乞岳11:05…11:24雨乞岳11:38…11:48東雨乞岳12:05…12:28七人山コル……12:53昼食13:25…13:57愛知川源流…15:15駐車場

鈴鹿セブン・マウンテンもこの雨乞が最後の山になった。武平峠トンネルを滋賀県側に抜けたところから朝露に濡れた草原を行くと指導標があり、丈を超すススキの原を登る。振り返ると鎌が岳が高く聳えて見える。
 やっと抜け出すと、次は雑木林の中の嫌な道。勾配はさほどでもないが、半ばぬかるんだ道の上に木の根が張り出し、両側は熊笹、ときどきザレ場もあり、時間が過ぎる割に行程は捗らない。
 水音が近づき、やがて小沢を渡り、流れに沿うようになる。熊笹の中の道だが、清流が心を洗ってくれる。流れに沿って行くと小さな広場があり、愛知川の源流に出た。この辺りは幾つかの沢が入り交じり、複雑な地形だ。コーヒーを沸かして朝食のパンを食べる。



しばらく休んで左手の沢に下り、沢沿いに行き、右手の尾根に直登する。崩壊したガレ場をへつり、尾根を越してまた別の沢・クラ谷に下る。
何度も流れを渡り返し、静かな流れに沿う道、捲道、沢の中の道と、変化に富んだ遡行が続く。所々で出会う滝も、小振りながら美しいものが多く、楽しい沢歩きだ。



流れは次第に細く、水流も少なくなり源流の近いことを思わせる。道はこの頃から沢を離れ右手の山腹へ登り出す。しかし大した事なく、七人山のコルに着く。
 曲がりくねった櫟の木が生える道を少し行くと、やがて猛烈な熊笹のプッシュとなる。遂にはトンネル状になり、潜って行く所もある。雨裂で溝状になつた所も登る。歩きにくいので上に出ると熊笹のブッシュ。



しかし、しばらく頑張ると次第に笹の丈も低くなり、見通しが効くようになった。勾配がゆるまり東雨乞岳頂上に着く。広々とした樹木の無い頂上はまさに360度の展望台。しかし、国見と御在所、鎌ヶ岳が見える他は雲が低くて余り展望はない。



目指す雨乞本峰は熊笹の海の向こう、かなり時間が掛かりそうだが熊笹を漕いで登ると13分で頂上に到着。
 樹木に覆われていると思っていたが東、南側が予想外に展けていて、鎌、御在所はよく見えた。スカイラインが延々と続いているのも見える。



東雨乞の頂上に引き返して缶ビールで乾杯する。雲行きが怪しくなったので頂上に別れを告げる。
 下り道は何と言っても楽で、直ぐに七人山を通過、河原へ降りてクラ谷と愛知川の出合近くで昼食にした。この頃から天気は回復、谷間から見上げる空は快晴となる。愛知川源流より後は、来るとき懸念した通り、やはり嫌な道で、うんざりする程長く感じた。
 最後の水場で顔を洗い、さっぱりして、とうとうあのススキの原に帰って来た。



強い日差しに白いススキの穂がキラキラ光り、その上に鎌が岳がくっきりと青空に浮かんで、私達の7マウンテン完登を祝福しているかのように見えた。