ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

鈴鹿7マウンテン(4)-釈迦ヶ岳

2008-08-24 17:08:02 | 四方山話
釈迦ヶ岳 <1092.2m>

鈴鹿山脈の中央部にある花崗岩地質の山。山の姿がお釈迦様の寝姿に似ていることから名付けられたといいます。南山麓の朝明渓谷は美しい滝が多く、古くから開けてキャンプ場などが設けられています。
北側からも八風峠経由のルートがあり、以前に峠まで登ったことがありますが、以下はもう20年近くも前になる南側からの記録です。

1990.11.18.朝明渓谷の駐車場に車を置いて、その前からすぐ登山道に入る。
朝明渓谷のキャンプ場前から庵座谷道が始まる。歩きにくい道をしばらく歩き、山腹へ登る。雑木林の単調な道を行くと、急に視界が開けて正面の山肌を落ちる庵座の滝が見えた。谷に下りると歩き易い道となり、滝の下に着いた。



落差40Mの滝は実に堂々とした姿で、滝口を見上げると紺碧の天空から湧き出しているように見える。一本の深紅の楓が彩りを添え、実に美しい。
滝と別れ、固定ザイルを張ったガレ場の直登となる。小さい沢を越して、滝の落ち口を通る。15分ほどで沢に出て、消えかかったペンキの印を頼りに右に左に渡り返す。林に入り、見事な三段の滝を高捲きする。次に河原に下りると流れは緩やかになり、また何度か右を跳んで渡り返す。右岸の林の道を行くと、鉄パイプを組合せた異様な堰堤に出た。堰堤の上は広い河原で、視界が急に広がり、正面に猫岳、右手に松尾尾根の頭と大陰のガレが遥か高くに見える。

かんかん照りの河原を汗を流しながら猫岳の方に進み、左岸に渡って急勾配の斜面に取り付く。固定ザイルのある、落石が起きそうな斜面を一歩一歩よじ登る。
この登りは相当なもので猫岩のピークは見る見る同じ高さになる。最後は岩角や木の幹に槌っての、全くの直登となる。
ようやく樹木相が変わり頭上に青空が広がると、松尾尾根の頭だった。休憩もせずに頂上を目指す。殆ど登り下りのない、熊笹の中の道を南へ、羽鳥峯への分岐を過ぎると5分程で頂上に着いた。1092Mの頂上は意外に狭く、樹木が茂って全く展望がきかない。



昼食をすませて出発。分岐から羽鳥峰へは急な掘り割り状の下りと、熊笹のトンネルの連続。概ね下りだが途中、猫岳(1058M)と908Mピークの二つの登りがある。猫岳は標識では猫岩とあり、山では珍しく交通事故死者の碑があった。ここから熊笹はうんざりする程密生していて、時には背丈を超す所もある。朝明側の見通しの効く、露岩が重なりあう素晴らしい景色の所を過ぎ、908M峯ピークを過ぎると、熊笹がきれいに切り開かれていて歩き易くなった。



羽鳥峰の峠でコーヒーを飲み、小休止。ここからは去年、水晶岳への登りに使った道で、思い出を辿りながらどんどん下る。案外早く広い道に出たが、それからがうんざりする程長く感じた。

天候も体調もよく、ルートに変化のある充実した山行を楽しむことが出来た。

<コースタイム>
駐車場発 9:20…10:20庵座の滝10:35…12:05松尾尾根の頭…12:15釈迦ヶ岳頂上12:18…昼食12:50…13:20猫岳…14:05羽鳥峰14:25…1515駐車場