宮応かつゆきの日本改革ブログ

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ベルリン会談、スターリンの指示は。 ヒトラーが”世界再分割プラン提案” 「日本との関係」は 

2014年02月08日 | 綱領関連

 不破氏は、ベルリン会談を前にモロトフに指示を与えていたことを明らかにしています。

 「ソ連崩壊後の1995年、ソ連の外務省文書から、ベルリン会談の前に、スターリンがモロトフに与えた指示文書が明らかになりました。 そこには、ベルリン会談の全経過とその意味を読み解く上での重要なヒントが数多く含まれていました」として、「指示の全文」が紹介されています。 (「前衛」誌3月号 189~192頁)

 そして、「スターリンの『指示』を読む」として5点に整理して解説しています。 私が関心を持った点を紹介します。

 第1点は、「まず目につくのは、日独伊ソ4ヵ国間で、自分の『勢力圏』の世界的規模での境界を設定しようというリッベントロップ提案の基本構想に、スターリンが大乗り切り気だということです。~『欧州新秩序』と『大東亜共栄圏』の境界線を見定めて、ドイツ側がソ連の『勢力圏』としてどんな範囲のことを考えているか確認せよ、それが了解できるものであっても、最後の仕上げは、次のりッベントロップの訪ソの時にスターリン自身が乗り出して交渉するから、ベルリン会談ではどんな協定にも調印するな、というのです」

 第2点は、日本と中国に関わる内容です。

 「ただ、スターリンが、『大東亜共栄圏」に関連する問題を、第9節で『秘密議定書』の内容に関連してとりあげていることは重要です。 まず、中国問題で、中国(蒋介石)政府にとっての『名誉ある和平』が望ましいとし、独伊ソの3国で日・中の仲裁に入ってもよいというのですが、そのさい、『満州』が日本の『勢力圏』に入ることは認める、というのです。 中国共産党との関係では、ソ連が中国支援国家であることを盾にとって『蒋介石第1主義』の態度をとってきたスターリンが、侵略国家同士の取り決めとなると、『満州』を犠牲にした日本との和平を蒋介石政権に押し付ける態度をとるのです」

 「同じ節の、『インドネシアを日本の勢力圏」として認める、ということも重大な提言でした。 日本では、『大東亜共栄圏』の線引きはおこなっていたものの、インドネシア問題などは、日本の政府自体が、政治的にも軍事的にもまだまったく問題にしていない段階でした。 その時に、日本の『南進』を当然のこととして、インドネシアを日本の『勢力圏』に入れることを提言しようというのですから。 これらのくだりは、スターリンが、ドイツだけでなく、日本帝国主義の領土拡張主義の要求にたいしても、その矛先がソ連自身に向けられない限り、容認するつもりでいたことを、あからさまに示したものでした」

 「ヒトラーが提案した『世界再分割』プラン」について、次のように紹介されています。(「前衛」誌3月号196~197頁)、以下、要約です。

 「ヒトラーが、この会談のために用意した世界再分割の提案は、スターリンの予想を超える大規模なものでした」(不破)。 ヒトラーの発言要旨。

 「大英帝国の終末の時期がはじまったということは、もはや地上のいかなる力も変えることことのできない事実となった。 イギリスはすでに大打撃を受け、最終的にその敗北を認めるのはすでに時間の問題である」

 「イギリスを征服すれば、大英帝国は、総面積4000万平方キロメートルにおよぶ全世界にわたる巨大な破産した財産として分配されることになるだろう。 ロシアは、この破産した財産のなかに、不凍港および大洋への進出路を求めることができるだろう」

 会談の最後のリッベントロップとモロトフのやり取りは、以下の通りです。

 「この『世界再分割』の是非については、最後にりッベントロップが『ソ連はいったいインド洋に出口を得るという考えに原則的に賛成なのかどうか』とつめたのにたいして、モロトフは、『スターリンおよびモスクワの他の友人たちのこの問題で意見をまだ聞いていないので、ここではまだ決定的な意見を述べることはできない』と答えています」(「前衛」誌198頁)