【ワシントン=洞口昇幸・赤旗特派員】国連総会第1委員会(軍縮)で21日、核兵器の不使用と廃絶への決意を宣言する「核兵器の人道的結末に関する共同声明」が発表され、125カ国が参加しました。
これまで、同種の声明は米国の「核抑止力」に頼る自国の安全保障と一致しないと指摘していた日本も、初めて参加しました。 声明は 核兵器の非人道性を懸念し、「いかなる状況下でも核兵器が2度と使用されないことが人類生存の利益」だと指摘しています。
今年4月の核不拡散条約(NPT)再検討会議準備会などでも同様の声明が出されてきましたが、日本政府は米国の「核の傘」に依存する自国政策と相容れないとして署名を拒否してきました。
こうした日本政府に対して、今年の原水爆禁止世界大会や、被爆地の広島、長崎市の祈念式典でもそれぞれの市長が厳しく日本政府の姿勢を批判していました。
日本共産党の志位和夫委員長は談話を発表し、次にように述べています。
「核兵器の非人道性、残虐性から、その使用に反対し、廃絶を求める『声明』が採択されたことは、『核兵器のない世界』にむけた積極的な動きである」 と指摘し、「日本政府が『声明』に名を連ねたことは、遅すぎたとはいえ当然のことである。
同時に、日本政府は、賛同に転じた理由について、『声明』に、『核軍縮に向けたすべてのアプローチと努力を支持する』という一文が盛り込まれたことをもって、『拡大抑止を含む日本の今までの考えが入った』『段階的に核軍縮を進める日本の取り組みと整合性が取られていることが確認できた』(菅官房長官)とのべるなど、『核抑止力論』=『核の傘』に頼る立場を捨てていない」と日本政府の態度を厳しく比判しました。
そして、「『声明』に名を連ねた以上、日本政府は、『核兵器のない世界』にむけて積極的な行動を実際に行うことが求められる。 被爆国の政府にふさわしく、国際社会の多数が求めている核兵器禁止条約の国際交渉の開始を支持し、この流れの先頭に立つべきである。 そのためには、『核抑止力論』=米国の『核の傘』に頼る政策から脱却することが不可欠である」と強調しました。
今年夏の原水禁世界大会に参加して、核兵器の非人道性と残虐性を改めて強く感じてきました。
日本政府が、内外の世論と運動の高まりに応えざるを得なくなったことに確信を深めています。
同時に、志位さんや日本被団協、日本原水協なども一致して要求しているように、米国の「核の傘」からの脱却がいよいよ避けられない課題となっています。