☆ 今年の京都府公立高校前期試験に、徒然草第68段が出題された。いわゆる「大根の恩返し」。
☆ 大要はこんなところ。筑紫の某押領使は、万病の薬だと信じて長年毎朝二切ずつ大根を焼いて食べていた。あるとき、警護が手薄になった隙を狙って敵が襲ってきた。そのとき2人の兵が現れて命を惜しまず戦い、敵を追い返した。見慣れない兵士だったので、押領使が「どなたか」と尋ねたところ、「長年お召し上がりになっていた大根だ」と言って姿を消した。
☆ 兼好法師の結論は「深く信を致しぬれば、かゝる徳もありけるにこそ(深く信じることで、このような功徳も得られるのだろう」ということ。
☆ 何とも不思議なエピソードだが、興味がそそられる。
☆ 毎朝、大根を焼いて食べていたというが、どんな風に食べていたのだろうか。油炒めか、焼き芋のようにあぶって食べていたのか。焼くだけで芯まで柔らかくなるのだろうか。調味料は何だろう。塩か、味噌か、醤油か。そもそも、大根とは今の私たちがイメージするような大根なのだろうか。みずみずしい新鮮なものか。それとも寒干しでもして水分を抜き旨味を凝縮したものか。
☆ 食べてみたいものだ。
☆ 大根が兵となって現れるというのは、実に面白い。式神のようなものか。日々食べられてそれで恩返しをするとはどういうことか。栄養に富む(?)大根を万病に効くと信じて食べることで、実際に病魔をやっつけたというエピソードを比喩的に書いたものなのだろうか。細菌やウィルスなど知りようもなかった時代、敵襲はまさに病魔が襲うことだったのかも知れない。
☆ 「信じる者は救われる」ということかも知れないが、兼好法師のことだから、そんな教訓めいたことに留まらないような気もする。
☆ 設問への解答も忘れて、夢想に浸ってしまった。
☆ 大要はこんなところ。筑紫の某押領使は、万病の薬だと信じて長年毎朝二切ずつ大根を焼いて食べていた。あるとき、警護が手薄になった隙を狙って敵が襲ってきた。そのとき2人の兵が現れて命を惜しまず戦い、敵を追い返した。見慣れない兵士だったので、押領使が「どなたか」と尋ねたところ、「長年お召し上がりになっていた大根だ」と言って姿を消した。
☆ 兼好法師の結論は「深く信を致しぬれば、かゝる徳もありけるにこそ(深く信じることで、このような功徳も得られるのだろう」ということ。
☆ 何とも不思議なエピソードだが、興味がそそられる。
☆ 毎朝、大根を焼いて食べていたというが、どんな風に食べていたのだろうか。油炒めか、焼き芋のようにあぶって食べていたのか。焼くだけで芯まで柔らかくなるのだろうか。調味料は何だろう。塩か、味噌か、醤油か。そもそも、大根とは今の私たちがイメージするような大根なのだろうか。みずみずしい新鮮なものか。それとも寒干しでもして水分を抜き旨味を凝縮したものか。
☆ 食べてみたいものだ。
☆ 大根が兵となって現れるというのは、実に面白い。式神のようなものか。日々食べられてそれで恩返しをするとはどういうことか。栄養に富む(?)大根を万病に効くと信じて食べることで、実際に病魔をやっつけたというエピソードを比喩的に書いたものなのだろうか。細菌やウィルスなど知りようもなかった時代、敵襲はまさに病魔が襲うことだったのかも知れない。
☆ 「信じる者は救われる」ということかも知れないが、兼好法師のことだから、そんな教訓めいたことに留まらないような気もする。
☆ 設問への解答も忘れて、夢想に浸ってしまった。