じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

加藤幸子「雪売り屋」

2024-04-04 20:56:35 | Weblog

★ 2011年の大学入試センター試験に加藤幸子さんの「海辺暮らし」が出題されていた。長年干潟で暮らすおばあさん。工場が流す排水で干潟が汚染され、おばあさんは役所から立ち退きを迫られる話だった。

★ 今日は、加藤幸子さんの「自然連禱」(未知谷)から「雪売り屋」を読んだ。

★ ある女性、二人の娘と夫の4人暮らしのようだ。彼女がお気に入りの風呂吹き大根を煮ていると、聞き慣れる御用聞きがやって来た。話を聞くと「雪売り屋」だという。日本各地はもとより世界各地の雪を取り揃えているとのこと。

★ あまりにも怪しいので追い返そうとしたが、次女が興味を持ったらしく、やむなく「サッポロ雪瓶」を買うことに。やがて食卓に飾られた雪瓶。雪は規則正しく溶け、溶けた分だけ空間ができる。さながら雪時計だという。

★ それにしても怪しい商売。騙されたに違いないと思ったのだが。

★ 詩的な文章、そして自然への愛を感じる作品だった。

☆ 春期講座もあと1日を残すのみ。いよいよ新学期が始まる。

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