じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

石原慎太郎「太陽の季節」

2024-04-13 14:47:26 | Weblog

★ 新学期が始まって1週間。今年度スタート時の塾生は70人で確定した。例年、これからパラパラと20人ほど増える。

★ 先日、YouTubeで立川談志さんと石原東京都知事(当時)の対談を見た。70代も半ば(収録時)のお二方。「老い慣れしていない」というフレーズが印象的だった。

★ ということで、今さらながら石原慎太郎さんの「太陽の季節」(新潮文庫)を読んだ。1955年度の「文学界」新人賞、そして翌年「芥川賞」を受賞。戦後10年を経て、自由奔放な青年の生きざまが新鮮だったのであろう。

★ とにかく、主人公を始め登場人物たちは裕福だ。多分自ら得た富ではなく、親や先祖から受け継いだものだろう。その豊かさの中で、彼らは刹那的に生きている。彼らとて悩みがないわけではないが、それは極めて個人的な問題だ。

★ 主人公の竜哉たちは、街で英子たち女性3人をナンパする。竜哉と英子は恋仲になる。最初は英子に振り回されていた竜哉だったが、やがて立場が逆転。そうすると英子に追いかけられることに竜哉は煩わしさを感じるようになる。

★ 物語は終盤の数ページで悲劇的に終わる。「何故貴方は、もっと素直に愛することが出来ないの」という英子の言葉が印象に残る。英子の母性と竜哉の幼さを感じる。

★ 今の時代から見ると随分と理屈っぽく感じるが、当時としては竜哉のような新しい人々の登場が魅力的だったのだろう。

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