じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

辻原登「村の名前」

2018-07-16 21:27:14 | Weblog
☆ 辻原登さんの「村の名前」を読んだ。

☆ 商社マン・橘は、畳卸業者の男と畳を買い付けるために中国を訪れる。行きついたところは「桃源郷」という田舎の村。ところが「桃源郷」とは名ばかりで、そこは瀕死の村だった。

☆ 文化の違い、政治体制の違い、通じない言葉、したたかに生きる村人と官僚主義的な党の人々、現実と幻想が入り乱れて、橘の心は乱れる。

☆ ある女性との出会い。一夜の情事。しかし、そこにも罠があった。


☆ 幻想にとらわれたり、現実の政治体制に引き戻されたり、読者も翻弄される。新しい時代の波を感じながら古い生活から抜けられない人々。「異邦人」から見た、過渡期に生きる人々の姿が楽しめる。 
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