じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

「大統領の執事の涙」を観た

2017-10-08 22:09:03 | Weblog
☆ 「大統領執事の涙」(2013年)を観た。

☆ 奴隷の子として生まれた男性が、大統領の執事として歴代の大統領に仕えた。その人生を追いながら、黒人がアメリカ市民として正当な地位を確立するまでの流れを描いていた。

☆ 日本国憲法は第97条で「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に耐え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と定める。そしてその自由及び権利は、第12条で「不断の努力によって、これを保持しなければならない」と定める。

☆ 黒人がその地位を獲得するためにどれほど多くの血が流れたことだろうか。どれほどの苦渋を味わったことだろうか。

☆ 日本では今、日本国憲法の存在が不都合な人たちによって改悪されようとしている。心ある人々はこれを見過ごしてはいけない。自分のできるところで、できることを精一杯して、悪辣な企みを打ち砕けなければならないと思った。
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「山椒魚」

2017-10-08 19:53:28 | Weblog
☆ 井伏鱒二の「山椒魚」(新潮文庫)を読んだ。教科書にも載る有名な作品だ。

☆ 山椒魚が大きくなりすぎて岩屋から出られなくなる話。あと、メダカやエビやカエルが出てくる。

☆ 岩屋に閉じ込められた山椒魚が孤独を感じ、たまたま岩屋に入ってきたカエルを閉じ込めてしまうが、最後は餓死寸前のカエルと和解し、孤独から脱出する。教科書的にはそういうことだが、この作品は何か引っかかる。

☆ 山椒魚は随分身勝手だ。そんな山椒魚に監禁されたカエルが彼を許すとは思えない。(空腹すぎてそんなことどうでもよくなったのか)

☆ 引きこもりの青年が孤独を癒すために少女を誘拐、監禁し、そのことを少女が許すとは思えない。当時は、ストックホルム症候群などという症例も知らなかっただろうし。

☆ 山椒魚やカエルが何を象徴しているのか、人それぞれに解釈ができそうだ。

☆ 「山椒魚は悲しんだ」という出だしには魅かれる。太宰の「メロスは激怒した」(「走れメロス」)が外向きなのに対して、山椒魚は内向きだ。

☆ 山椒魚は孤独を愛し、それでいて孤独に苦しむ。社会の中で生きるのに不器用な人の象徴なのかも知れない。
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「オリヲン座からの招待状」

2017-10-08 15:53:14 | Weblog
☆ 浅田次郎さんの「鉄道員」(集英社文庫)から「オリヲン座からの招待状」を読んだ。

☆ 巻末の解説(北上次郎氏)によると、この短編集では「鉄道員」「ラブ・レター」「角筈にて」「うらぼんえ」の人気が高いらしいが、見事に外して、最後に掲載してあった本作を読んだ。

☆ 京都西陣の幼馴染がわけあって共に上京。そこで結婚をして一子を得るが、夫が不倫をして別居状態。本来なら離婚だが、夫の体裁で籍は入れたままにしてあるという。今は妻にも愛人がいる。

☆ そんな二人に「オリヲン座」からの招待状が届く。オリヲン座は彼らが幼いころよく通っていた映画館だ。しかし、時代の流れには抗しえず、遂に閉館するので、最後の上映をするという。

☆ 久しぶりの夫婦そろっての京都行。二人に何が起こるのか。

☆ 映画館主の京都弁が温かい。

☆ 映画館の物語と言えば「ニューシネマ・パラダイス」が素晴らしいが、子どもたちにとって映写室というのは不思議な世界なのかも知れない。
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