〇日本橋三越本店・本館1階中央ホール 神田明神創建1300年記念・三越創業350周年『-浮世絵や絵巻で見る-神田明神と神田祭展』(2023年5月10日~5月22日)
神田祭は、神田明神で2年に1度開催される祭りである。コロナ禍で中止が続いてきたが、今年は4年ぶりの開催となり、昨日5月13日(神幸祭)は、神田・日本橋・秋葉原(岩本町)などを神輿が巡行した。これに合わせて、神田明神が所蔵する絵巻物や浮世絵などを紹介する展覧会が、日本橋三越本店で開かれていると聞いたので見てきた。
洋風建築のエントランスに江戸前のちょうちんがずらりと並んだ様子は、意外と違和感がない。
表通りには「室町一丁目」の神輿が鎮座する御旅所がつくられていた。またピロティには「加茂能人形」の山車が寄せられていた。法被姿のおじさんが「本当はずっと大きくなるんだ」と説明していたが、櫓の部分が伸び縮み(折り畳み?)できる構造らしい。
幕の陰におキツネさまの面が掛けてあった。金目に赤い口がかなり怖い。
さて店内へ。天女(まごころ)像が見下ろすエリアが展示会場になっていた。神田祭や神田明神を描いた浮世絵、関連の品々が展示されていたが、何と言っても見ものは、住吉内記広定筆『神田明神祭礼絵巻』。天・地・人の3巻で全長67メートルに及ぶという(さすがに全部は開いていない様子)。なお3巻目の後半は下絵のみで色が着いていないのは、途中で作者が病没してしまったためだという。
これは絵巻の最初に登場する山車、諫鼓鶏の意匠だろう。あとで浮世絵を見たら、この諫鼓鶏の山車を描いてるものをいくつか見つけた。
これは唐人の行列?と思ったら、みんな頭に海の生きものを載せている。竜宮城の仮装だろうか。この後ろに続くのは朝鮮通信使の仮装らしかった。
全体に「水の流れ」を大胆に表現した山車が多いように思った。これは「猿の生き胆」の昔話と関係があるかしら?
山車は人が引っ張るだけでなく、牛が引いているものが多いのも新たな発見だった。