見もの・読みもの日記

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北京・天津・河北省の旅2009【第4日】承徳(避暑山荘)→秦皇島

2009-09-18 00:15:37 | ■中国・台湾旅行
 承徳2日目は、避暑山荘。康熙帝が造営し、乾隆帝が整備し(イギリス大使ジョージ・マカートニーにも謁見)、咸豊帝は、屈辱的な天津条約、北京条約に署名し、京劇三昧に現実逃避したまま、この地で崩じた。大清帝国の栄枯盛衰が刻み込まれた故地であるが、何しろ広大なので、見学できたのは、ほんの一部。

 山荘内の文津閣は「四庫全書」が保管されていた蔵書楼のひとつである。建物は寧波の天一閣(個人蔵書楼)に模して造られた。建物の前面には防火用水を兼ねた池が設けられ、岩の築山に穿った三日月形の穴に日光が差し込むと、”昼間なのに池に月影が映る”という趣向が凝らされている。内部は二層に見えて実は三層、中層の書庫には日光が入らず、温度が一定しており、書架は防虫効果のあるクスノキを用いている。



 「四庫全書」は、正本7部、副本1部が浄書されて保管されたが、現存するのは、北京図書館の文津閣本、甘粛省図書館の文溯閣本、浙江省図書館の文瀾閣本、台湾故宮博物院の文淵閣本の4種。その中で、この文津閣本が最も保存良好だという。それにあやかろうと思って、私は避暑山荘特製(乾隆帝印!)の「楠木香」を買ってきた。もちろん仏前で焼香してもいいが、そのまま書棚や洋服ダンスに入れておけば、防虫剤になるというすぐれもの。

 あ、避暑山荘の門前に「閲微楼」という高級レストランが店を構えていたことを付記しておこう。四庫全書の編纂官・紀(きいん)が名乗った「閲微草堂」を踏まえた命名だろう。

 避暑山荘の敷地内には、多くの野生動物も住んでいる。鹿は多い。奈良公園みたいだが、奈良の鹿ほど人ズレしていない。それと、角が立派。



 午後は専用車でひたすら走る。日没後、渤海湾に面した秦皇島市に着。

(9/27記)

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