関西旅行、初日の夜は京都市内に適当な宿が見つけられなくて、JR山崎駅前のホテルに泊まった。まわりは静かな住宅街だったが、駅前にコンビニもあって不自由はしなかった。
■水無瀬神宮(大阪府三島郡島本町)
2日目は、せっかく山崎に泊まったので、朝の散歩がてら、後鳥羽院に敬意を表して水無瀬神宮に参拝に行く。ちなみに山崎駅は京都府だが、水無瀬神宮は大阪府なので、知らないうちに県境を越えていた。境内では多数の風鈴を吊るした「招福の風」行事が行われていたが、全く風が無くて、チリンとも鳴っていなかった。あと、前回来たときは気づかなかったのだが、本殿の向かって右には日本酒の樽、左側にはウィスキーの樽が捧げられていた。
これはJR山崎駅前の離宮八幡宮。油の専売特許を持つ油座として栄えた(滋賀の油日神社を思い出す)。名前は嵯峨天皇の離宮「河陽宮」に由来するとのこと。
■大山崎山荘美術館 愛知県陶磁美術館コレクション『中国やきもの7000年の旅-大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー』(2024年6月1日~9月1日)
これも予定になかったのだが、せっかくなので大山崎山荘美術館を初訪問。阪急大山崎駅が始発となる無料送迎バスで坂を上がって門前まで連れていってもらう(定員13名のワゴン車なのでJR山崎駅では乗れないお客さんもいた)。トンネルのような入口の前で少し待ち、開館時間になると、スタッフが門を開けにきてくれる。鎌倉文学館のアプローチのような雰囲気。しばらく緑陰の遊歩道を進んでいくと、美術館本館となっている山荘が現れる。関西の実業家・加賀正太郎(1888-1954)が、別荘として自ら設計を監修したものだという。本格的に英国風ですごく素敵。
現在の展覧会は、愛知県陶磁美術館(改修工事のため休館中)のコレクション約80点により、中国新石器時代から清朝にいたるまで7000年に及ぶ中国陶磁の歴史を概観するもの。どちらかというと古代多め。大きな三彩駱駝が露出展示になっていて、ドキドキした。
■大阪中之島美術館 開創1150年記念『醍醐寺 国宝展』(2024年6月15日~8月25日)
大阪へ出て、中之島美術館の醍醐寺展へ。今回の旅行で一番楽しみにしていた展覧会だったが、正直イマイチだった。もちろん貴重な寺宝が出ているのだが、現地の霊宝館を知っていると、あれもこれも来ていないのか、というガッカリ感が先立ってしまう。メインビジュアルの如意輪観音坐像は、2018年サントリー美術館の『醍醐寺展』でも主役だったもの。華やかで、謎めいていて、密教の寺・醍醐寺らしい感じがする。彫刻は快慶作の不動明王坐像、閻魔天騎牛像など。絵画は『文殊渡海図』あり。後期に『閻魔天像』が出る。同館、近代日本美術の展覧会はいつも素晴らしいのだが、古美術はもう少し頑張ってほしい。