○西尾市岩瀬文庫 企画展『ヘルス&ビューティー~いにしえびとの“健康・美容”情報おしえます~』
http://www.city.nishio.aichi.jp/kaforuda/40iwase/
たまたま何かで上記のサイトに行き当たって、へえ~こんな文庫があるんだ、と知った。岩瀬文庫は、明治41年に市内の豪商・岩瀬弥助が私財を投じて設立した私立図書館である。戦争や天災で打撃を受け、研究機関への売却も検討されたが、地域住民の保存運動によって守られ、西尾市岩瀬文庫(博物館施設)として現在に至っている。
名古屋から名鉄で小1時間、関東人の私には、まるで土地カンのない西尾駅に着いた。時間節約のため、タクシーに乗ったら、運転手さんに「岩瀬文庫って有名なんですか? 最近、お客さんが増えているんですよ」と聞かれた。やっぱり、私のようにネットで見つけて訪ねてくる物好きが他にもいるのだろう。
平成15年に建てられた岩瀬文庫の本館は、市立図書館の隣にある。コンクリートの打ちっぱなしが目立つ、オシャレな建築である。よ~く見ると、打ちっぱなしの壁のあちこちに、本の版面(博物画やら浮世絵やら)がデザインされていて楽しい。2階に上がると、木の床と壁に区切られた常設展示コーナーが現れる。重厚な木製のカードボックスが置いてあって、引き出しには年輪を感じさせる手書きの目録カードが詰まっている。
たぶん、むかしは実際に使われていた目録だと思うが、現在は「展示用」である。岩瀬文庫の蔵書は、もう全てデータベース化が済んでいるのだ。ちょうど若いお父さんが、小学校低学年くらいの女の子に向かって、「げんじものがたりなら”げ”のところを探すんだよ。カードに番号が書いてあるだろ? 今度はその番号で本を探すんだよ」と説明していた。女の子の、分かったような分からないような表情が可愛かった。
展示コーナーの一角には、昔ながらの木製書架も再現されている。そこに並んでいる巻子本や和装本は複製品だが、なかなか巧くできている。棚から下ろして広げてみたり、番号順に戻してみたりすることで、文庫屋さんごっこ(?)ができるのだ。うわ~楽しい~、と思うのは私くらいか。原簿や蔵書印、業務日誌、骨董品みたいなブックエンド等の実物展示も面白かった。
企画展示室では、『ヘルス&ビューティー』と題して、江戸の健康法と美容法を紹介する展示が行われていたが、子どもや一般客の目を引きつけるための工夫が凝らされていて感心した。たとえば、酒の効能を記した本の隣りには、お銚子とお猪口、風呂の入り方を講釈した本のそばには、風呂桶と手拭いという具合である。資料の保全を厳密に追求する立場からは叱られるかもしれないが、まあ、江戸後期以降の和本なら、こんなふうに楽しく付き合っていいんじゃないかな、と思う。
※いつぞやコメントを下さった鴨脚さん、岩瀬文庫に行ってきましたよ。
http://www.city.nishio.aichi.jp/kaforuda/40iwase/
たまたま何かで上記のサイトに行き当たって、へえ~こんな文庫があるんだ、と知った。岩瀬文庫は、明治41年に市内の豪商・岩瀬弥助が私財を投じて設立した私立図書館である。戦争や天災で打撃を受け、研究機関への売却も検討されたが、地域住民の保存運動によって守られ、西尾市岩瀬文庫(博物館施設)として現在に至っている。
名古屋から名鉄で小1時間、関東人の私には、まるで土地カンのない西尾駅に着いた。時間節約のため、タクシーに乗ったら、運転手さんに「岩瀬文庫って有名なんですか? 最近、お客さんが増えているんですよ」と聞かれた。やっぱり、私のようにネットで見つけて訪ねてくる物好きが他にもいるのだろう。
平成15年に建てられた岩瀬文庫の本館は、市立図書館の隣にある。コンクリートの打ちっぱなしが目立つ、オシャレな建築である。よ~く見ると、打ちっぱなしの壁のあちこちに、本の版面(博物画やら浮世絵やら)がデザインされていて楽しい。2階に上がると、木の床と壁に区切られた常設展示コーナーが現れる。重厚な木製のカードボックスが置いてあって、引き出しには年輪を感じさせる手書きの目録カードが詰まっている。
たぶん、むかしは実際に使われていた目録だと思うが、現在は「展示用」である。岩瀬文庫の蔵書は、もう全てデータベース化が済んでいるのだ。ちょうど若いお父さんが、小学校低学年くらいの女の子に向かって、「げんじものがたりなら”げ”のところを探すんだよ。カードに番号が書いてあるだろ? 今度はその番号で本を探すんだよ」と説明していた。女の子の、分かったような分からないような表情が可愛かった。
展示コーナーの一角には、昔ながらの木製書架も再現されている。そこに並んでいる巻子本や和装本は複製品だが、なかなか巧くできている。棚から下ろして広げてみたり、番号順に戻してみたりすることで、文庫屋さんごっこ(?)ができるのだ。うわ~楽しい~、と思うのは私くらいか。原簿や蔵書印、業務日誌、骨董品みたいなブックエンド等の実物展示も面白かった。
企画展示室では、『ヘルス&ビューティー』と題して、江戸の健康法と美容法を紹介する展示が行われていたが、子どもや一般客の目を引きつけるための工夫が凝らされていて感心した。たとえば、酒の効能を記した本の隣りには、お銚子とお猪口、風呂の入り方を講釈した本のそばには、風呂桶と手拭いという具合である。資料の保全を厳密に追求する立場からは叱られるかもしれないが、まあ、江戸後期以降の和本なら、こんなふうに楽しく付き合っていいんじゃないかな、と思う。
※いつぞやコメントを下さった鴨脚さん、岩瀬文庫に行ってきましたよ。