「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオの仕上げは電源対策?~その1~

2019年04月07日 | オーディオ談義

オーディオは極めてマイナーな趣味だと思っているが、「類は友を呼ぶ」というのか結構ご熱心な方々をよく散見する。

中には自分ごときが足元にも及ばないような豪勢な部屋と機器を揃えておられる方もいらっしゃるが、こればかりは実際に出てきた音を聴かせていただかないとよく分からない。

もちろん好き好きなので「いいも悪い」もないが、機器類にかけた金額と音質が比例することはなかなか難しいし、中には「見てくれオーディオ」もあったりしてちょっと・・・(笑)。

一昨年の春、そして昨年(2018年)と2年連続で出かけた「九州ハイエンドオーディオフェア」(福岡市)でもセット一式で軽く1千万円を越えるシステムをいくつも聴かせてもらったが「これはとても次元が違うなあ」と思ったのはせいぜい一つか二つぐらいだった。

その一つが「G1 GIYA」(ジーワン ギヤ)というスピーカーだった。

         


お値段が900万円と文字どおりハイエンドだが、これまでのオーディオ人生の中で一番素晴らしい音だと思った。

音を形容する言葉として周波数レンジ、分解能、奥行き感、艶などいろいろあるが、すべてに亘って最高クラスで、こういうバランスで音は出すものだと深く脳裡に刻み込んだ。

係の方が「世界最高の音です。」と胸を張っておられたが、たしかにさもありなん。

そして、このスピーカーの周辺機器も凄かった。
 
      
   

このレコードプレイヤーが光カートリッジなどの周辺機器も含めておよそ1000万円!

高級機には珍しいベルト・ドライブ方式だったので理由を係の方に伺ってみたところ「アイドラー方式は太い音が出るのですが原音再生には向きません。ダイレクトドライブ方式は私らのような弱小メーカーには理想のモーターが作れません。結局、消去法でいくとベルトドライブ方式に落ち着いてしまいます。」

といった調子(笑)。

まあ、こういうのはごくまれな例外として、全般的にはいくらお金をかけても矩というのか限界があるというのが率直な感想だったが、「投資すれば明らかにそれに見合った効果がありますよ」というのが一つだけある。

それは「電源対策」である。

オーディオの土台というか基礎対策として音質の根源的な部分に関わってくる代物なのでゆめゆめおろそかにできないというのがこれまでの我が痛切な体験である。

そこで、いささか「我田引水」気味になるが(笑)、我が家の「電源対策」を紹介させてもらおう。もしご参考になれば幸いである。

3項目あって、

1 200ボルト電源の導入

2 電源タップ

3 電源ケーブル

に分類されるが、これらについてそれぞれ述べてみることにしよう。

以下、続く。

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読書コーナー~ミステリーの傑作~

2019年04月06日 | 読書コーナー

「柚月裕子」(ゆずき ゆうこ)さんの本ってどうしてこんなに面白いんだろうというのが読書後の率直な感想である。

登場人物の心理描写が優れていてリアリティがあり、ぐいぐいと読者を引っ張るストーリーの展開力もあって、これが女流作家の作品とはちょっと信じ難い。

    

傑作「盤上の向日葵」を、しばしオーディオを忘れて一気に読み耽ってしまった(笑)。

ストーリーの概略を紹介しよう。ミステリーなのでもし読む気になった方は事前知識が入らない方がいいかもしれない。

「諏訪で父親にひどい虐待を受けて育った上条桂介。可哀そうに母親は精神に異常をきたして早死にしてしまう。なぜ異常をきたしたのか、後半で次第に明らかにされていくが、これが本書の核心部分となる。

しかし、頭が良く、将棋に天賦の才があった桂介はふとした出会いから近所に住む親切な元教師で将棋好きの唐沢に徹底的に鍛えられる。

子供のいない唐沢は桂介を我が子のように可愛がり養子になってくれることを望むが桂介はかたくなに断る。

東大に入った桂介は、社会に出て起業し大儲けするとアッサリ引退して将棋のプロを目指す。

そこで賭け将棋しかしない東明という勝負師と運命的な出会いをする。その後東明は山中で刺し傷がある死体で発見される。時価数百万円もする名駒[菊水月]を抱いて。

名駒を手掛かりに事件の真相を解明しようとする刑事二人と桂介の心理とが交互に描かれていき、その接点が交差したときに桂介の悲惨な出生の秘密が暴かれる。

この刑事二人の人物像が素晴らしい。片や上司の言うことを聞かない腕利きの一匹狼の無頼派、片や将棋のプロを目指すも挫折して刑事になった若者の間の心理的葛藤も興味深い。

生まれてくる子は親を選べないという現実のもとに、結末が何とも物悲しいが、将棋を知らなくてもこの作品は十分堪能できる。」

ちなみに、本書は「2018年第15回本屋大賞第2位」です。芥川賞や直木賞と違って読者の側に寄り添ってくれる「本屋大賞」ですから面白さにかけては「お墨付き」です。

ミステリーファンの方には機会があればぜひご一読をお薦めしたいところですね。 


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インピーダンスの整合性

2019年04月05日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

「北国の真空管博士」のご厚意により新たに手に入れたジェンセンのツィーターだが、我が家のシステムととても相性が良くて一躍レギュラーの仲間入り。

       

さて、そこで浮かび上がってきたのが「インピーダンスの整合性」の問題である。

このブログの読者で「インピーダンスって何?」という方がおられるはずはないと思うが(笑)、もしいらっしゃったら「スピーカーのインピーダンス」でググっていただくと分かりやすく解説されている。

そこでだが、このツィーターはインピーダンスが「8Ω」になっているが、ウーファーの「AXIOM150マークⅡ」はグッドマン定番の「15Ω」仕様となっている。

インピーダンスの違うユニットが混在した場合、はたして8Ω用と16Ω用のネットワークのうちどちらを使えばいいんだろうという疑問が湧くのは当然。

   

左側が8Ω用の「DN-6」、右側が16Ω用の「DN-7」となる。クロスオーバーは両者とも同じ4000ヘルツである。   

こういうケースでは一般的には重要な周波数を担当しているユニットに合わせるべきだとされている。

つまり今回は「~4000ヘルツまで」を担当している「AXIOM150マークⅡ」に合わせて16Ω用の使用がオーソドックスな解答となるが、周知のとおりSPユニットのインピーダンスなんて音量次第で刻々と変化するのであまり当てにならない(笑)。

したがって、こういうときはこまめな試聴実験あるのみである。

ネットワークに繋ぐSPコードをマイナス・ドライバーで付けたり外したりの実に簡単な作業で済むのでありがたいが、これでじっくり比較試聴してみると、「8Ω」用のネットワークの方が明らかに「16Ω」用よりも一枚上だった。

スッキリ爽やかで一枚ベールが剥がれた印象を受けた。

これまでの経験から言わせてもらうと、総じて「8Ω」用のネットワークはインピーダンス・16ΩのSPユニットにも通用するが、その逆に「16Ω」用のネットワークはインピーダンス・8ΩのSPユニットにはしっくりこない。

つまり8Ω用のネットワークの方が汎用性が高い。

これはパワーアンプとSPユニットとの間の接続でも同じことが言えますね。

アンプ側の8Ω・16Ω端子とSPユニット側のインピーダンスの整合性ともなると、アンプ側の8Ω端子に接続している方が明らかに汎用性が高い。

もちろん「そんなことはとっくの昔に知ってるよ」という方が多いだろうから、いかにも「鬼の首」を取ったように申し上げたつもりは毛頭ありませんので念のため(笑)。 


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新たなツィーター

2019年04月03日 | オーディオ談義

ヘ~ッ、「令和」ですか・・・。まあそのうち自然と慣れていくんでしょう。

それよりも出典が「万葉集」で「太宰府」で催された「梅の花を詠む宴」の序文から引用されたのが強く印象に残った。

大宰府といえば学問の神様として祀られている「太宰府天満宮」に尽きますね。

遠い昔の記憶がふと蘇った。当時は中学3年生の受験期で志望の高校に受かるかどうか合格ラインすれすれの状況だった。

お正月に合格祈願のため太宰府天満宮に参って「おみくじ」を引いたところ「努力すれば報われる」。

なんだ、当たり前のことじゃないかとガッカリしたことをよく覚えている(笑)。

その帰り道、福岡市内中心部の天神町の大きな書店に立ち寄ってふと目に触れたのが忘れもしない「旺文社」の「全国都道府県入試問題集」だった。

当時、あまりの部厚さから「電話帳」とも称されていたが、毎日一県づつ全科目の問題を解いていこうとの心づもりで購入を決め、それからコツコツとわき目も振らずに取り組んだところ、なんとまあ頭打ちだった成績が2月の最終模擬試験で飛躍的に伸びて悠々と合格圏内に入ったのである。

「太宰府天満宮の霊験あらたか」だった(笑)。

以後、それほど偉くもなれず「お金持ち」にもなれなかったが、こうして毎日「音楽&オーディオ」三昧の生活を送られるのも遡れば「太宰府天満宮」のおかげかもしれない。

今度の10連休には何十年ぶりかに感謝の気持ちを込めて「太宰府天満宮」と「九州国立博物館」(大宰府市内)に行ってみようかな~。

以上、くだらない昔話に付き合っていただき恐縮です(笑)。

それはさておき「珍しいツィーターが手に入りましたので一度聴いてみませんか?」と、お誘いがあったのはほかならぬ我が家の真空管の主治医「北国の真空管博士」である。

博士とのお付き合いは、面識はないけれどかれこれ4年ほどになるが古典管のみならずスピーカーからパソコンまでオーディオに関するあらゆることに詳しくて、その内容も極めてハイレベルである。

しかも音声信号に対する応答がとても速い方で、自分に言わせると「オーディオのスーパーマン」とはこういう人を指す。

いや、決して「褒め殺し」ではなく~(笑)。

加えて「費用 対 効果」のバランス感覚が優れているので有名ブランドに幻惑されることもいっさいなく、安心してお任せできるので自分のようなビンボー人にはとてもありがたい。

そういうわけで「ぜひ(ツィーター)を送ってください」と返答したのは言うまでもない。

ほどなく到着したジェンセン(アメリカ)のツィーターだが、グッドマンの「AXIOM150マークⅡ」の上に載せてみた。

これまではワーフェデールの「スーパー3」を使っていたが、まったく不満はないものの今のところこの部分しか使い道がない。

   

     

なんの変哲もないありふれたツィーターだが(笑)、音出ししてみると、とてもウーファーとの繋がりがいいのに驚いた。音色に違和感がまったくなくまるでフルレンジを聴いている印象を受けた。

日頃からSPユニットはフルレンジ一発で聴ければそれに越したことはないと思っているので、これは自分に向いている!

ちなみにパワーアンプは「371シングル」である。前段管はバルボのA411で、いつぞやのブログ「音のスピードとトルクとは?」でも話題にしたように「トリタンフィラメント+バリウム昇華型フィラメント」の組み合わせである。

   

「クセがなくてとてもいいツィーターですね。」と、さっそく博士にご注進に及ぶと、

「そうでしょう。振動版がジェンセン独自のフェノリックで出来ています。ベークライトに近い材質ですが、金属の振動版と比べると音がキツくなくてコーン型ユニットとの繋がりが優れているのが特徴です。

設計はジェンセンですが作ったのは日本のフォスター電機(現フォステクス)ですよ。すべて海外向けで日本では販売されていませんが。」

「そうですか、道理で・・・。」

博士は古典管にしろSPユニットにしろ、市場の片隅に埋もれた「名も無き優れもの」を発掘されるのが実にうまくてたいへんな慧眼の持ち主である。

もちろん、このツィーターを信じられないほどの格安のお値段で譲ってもらったのは言うまでもない(笑)。

さて、そこで難題が一つ持ち上がってしまった。

以下、続く。 


 



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第一四半期を振り返って

2019年04月01日 | オーディオ談義

今日からいよいよ新年度が始まります。

新しい元号の公表とともに新入生、新社会人、異動による転入者の方々など「新」のもとに一気にフレッシュな感覚に包まれますね。

さて、丁度1年の第一四半期が終わったので、この3か月間の我が家のオーディオを振り返ってみることにしよう。

時系列で上げると散漫になりそうなのでカテゴリーごとに分けてみると、

<SPケーブル>

     

オーディオ仲間に刺激されて長いこと倉庫に眠っていたPADのSPケーブルの復活は実に大きな効果があった。2セット分で計8本となり、すべて端子をバナナプラグに変更してもらったので使いやすくなった。

仲間から「こんなケーブルをなぜ長いこと直し込んでいたんですか?」と訊かれたので「当時はこのケーブルの良さを引き出せるほどシステムが充実していませんでした」と答えた。

道具の評価は周辺環境次第のところがあってなかなか難しい。

<電源ケーブル>

      

同じく倉庫に直し込んでいたPADの電源ケーブル「ドミナス」(4本)も再登場した。それぞれ2台のDAコンバーター、2台のプリアンプに差し込んでいるが効果はSPケーブル以上のものがあったと思い込んでいる(笑)。

<パソコンオーディオの飛躍的な前進>

84Khzが再生できるDAコンバーターの登場は我が家のパソコンオーディオを飛躍的に前進させた。デジタル技術の日進月歩には驚嘆するほかない。

<出力管「SV-300B」>

   

巷では「WE300B」に優るとも劣らない緻密なツクリで音もすこぶるいいという評判なので、「SV300B」(スヴェトラーナ)をオークションで落札したが、ようやくエージングが済み我が家のアンプとの相性も良く魅力全開である。

中高音域の煌びやかさにかけては本家本元の「WE300Bよりも上」というのが正直な感想である。

<AXIOM80を中高音域に使用>

  

前回のブログに記載した通り、ウェストミンスターの中高音域に起用した復刻版の「AXIOM80」(1200ヘルツ~)だが、見事に期待に応えてくれた。 

大概のシステムは3日もするとどうしてもアラが見えてくるのだが、このシステムはそういう気配を微塵も感じさせない。 

これまで20数年にわたってウェストミンスターを弄ってきた。いわば「骨の髄までしゃぶり尽くした」といっても過言ではないが、この音がこれまでのベストである。

重量が100kgを超える大きな箱に裏打ちされた雄大なスケール感に繊細な表現力が加われば「鬼に金棒」で、もろもろの欠点を押しなべて隠してくれるのはありがたい。

いわば箱の大きさは「七難隠す」といったところで、このところジャズの優秀録音を聴きながらその感を深くしている。

ちなみに「(女性の)色の白さは七難隠す」という言葉があるが、その七難とは次のことをさす。

「顔立ちの不味さ」「性格のキツさ」「生活の乱れ」「老いの恐怖」「運の悪さ」「色気のなさ」「みすぼらしさ」

これらの欠点を補って余りあるほどの効果が「肌色の白さ」にあるというわけだが、これらをオーディオに順に当てはめると、

「見てくれやセッティングが拙い」「キンキンして尖った音を出す」「手入れが悪い」「古くて故障しやすい」「オークションでハズレをつかむ」「乾いた音を出す」「貧弱なソフト」

といったところですかね(笑)。
     

 







 

 


 


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