「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

良貨は悪貨を駆逐する

2013年08月12日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

これまで大切に保管してきたグッドマンの「AXIOM301」(口径30センチ)だが、たまたまネットオークションで専用のエンクロージャーを格安で手に入れたことにより、さっそく同じ「AXIOM80」仲間のSさん(福岡から東京に単身赴任中)から祝福の電話があった。

「おめでとうございます。グッドマンのオリジナル・エンクロージャーをよくぞ手に入れましたね。ブログで拝見する限り、オリジナルに間違いないようですよ。我が家のAXIOM80専用のオリジナル・エンクロージャーとツクリがまったく同じです。国産との見分け方のポイントは3つあります。

一つ目は前のサランネットが外れないこと、二つ目はGOODMANSのエンブレムが付いていること、三つ目は裏蓋を止めるネジが今どき使わないマイナス型の古いものを使ってあることです。

今度はぜひ、補助バッフルを使ってAXIOM80をマウントしてみてください。次回にご訪問するのが楽しみです。」


「いやあ、もうまったく笑いが止らない状況です。ご指摘のあった件ですが、三点ともピタリ一致しますのでどうやらオリジナルに間違いないようです。今どき、こんな貴重なエンクロージャーがよくぞオークションに出品されたものだと思います。しかも格安で手に入ったのですからまさに僥倖です!。補助バッフルを使うといろんなユニット(口径30センチ以下)が付けられるので、楽しみが無限に広がります。このエンクロージャーならどんなユニットだって、きっとうまく鳴らしてくれることでしょう。」

また、オーディオ仲間で、我が家の真空管アンプの修理を一手にお願いしているMさん(奈良)からもメールを頂いた。

「理想的なエンクロージャーが手に入りましたね。オリジナルとは!!小生のあくまでも予想なのですが、意見を述べさせて下さい。“羽毛の吸音材の調整などやたらに時間がかかって夕方になってようやく1台の取り付けが完了”と、ありましたが、この羽毛の吸音材が気になり、もう一度カタログを観てみました。次のとおりですが、これに効率の良い羽毛を入れたらARUの効果が出て来ないのでは、と思うのですが試聴はいかがでしたか?」

      

ご丁寧に、エンクロージャーの設計図まで添付していただいて、ただただ感謝。

スピーカー周りの作業は、ユニットを傷つけないことをはじめとして細心の注意を要する。ハンダ付け時の事故が怖いし、ウッカリしてドライバーでユニットを傷つけたりするが、Mさんご指摘のように内部の吸音材の量などによってガラリと音が変わったりするので、かなりの試行錯誤が必要となる。

また、これまで自己流でかなりのエンクロージャーを作ったり、いじったりしてきたが今回の製品の内部を仔細に点検してみると、まるで教科書に戻って復読するような原点回帰を覚え、大いに勉強になった。

とりわけエンクロージャー内部の木の地肌は絶対見せないように、スミからスミまですべてグラスウールが張り付けてあるのには驚いた。これはさっそく他のエンクロージャーにも応用しなければ。

さて、タンノイ製のワックスを塗ってピカピカに仕上げたエンクロージャーに羽毛の吸音材などを適度に入れて無事にマウントした「AXIOM301」の試聴結果だが、お決まりの「素晴らしい」なんて陳皮な言葉を吐くつもりは毛頭ないが、「何という上品な音なんだろう。これぞまさしくブリティッシュ・サウンド」の感を深くした。

自作のチャチなエンクロージャーに収めていた時の「音の違い」に歴然としたが、タンノイのオーソリティだった五味康祐さん(作家)が、わざわざ「スピーカーエンクロージャー」とまでの表現で、SPユニットとエンクロージャーの一体性を力説されていたことを改めて憶い出した。

ところで、この「AXIOM301」は、資料によると「30~16000ヘルツ」までの周波数帯域を再生できるので、フルレンジとしても使用可能だが、通常は、トレバックス(ツィーター)やミダックス(スコーカー)などのユニットを用いて、2ウェイ、3ウェイ化が図られている。

今回のオークションでも「トレバックス」が同時に出品されていたので、入札しようかどうか迷ってオーディオ仲間のAさんに相談したところ「音の良さ、値段、使いやすさ(能率110db!)の面からみてJBLの075に優るツィーターはありません。〇〇さん(自分のこと)は075の予備を持っておられるので、それを使えば十分でしょう。」

そういうわけで、最終的に「JBL075」を使って、クロスオーバー7000ヘルツ(6db/oct)で2ウェイにした。ローカット用のオイル・コンデンサーはウェスタン社製のブラック仕様を使い、これにマイカ・コンデンサーを噛ませるのは我が家の常套手段である。

当初は中高音部の分厚さを狙って同じJBLのLE85(ホーンなし)を使ったが、高域方向への抜けはさすがに075には及ばない。もうこの辺になると好みの問題だが、そういうわけで最終的な姿は次のとおり。

               

駆動するアンプは「AXIOM301」に真空管VV52Bシングル、JBL075には真空管2A3・2号機シングル。 

さて、今回の件によってエンクロージャーの重要性に身をもって気付かされたわけだが、改めて疑惑の眼(まなこ)を向けたのが我が家の本命である「AXIOM80」を収納しているエンクロージャー。

はたして「AXIOM80」をこのまま狭い空間の中に押し込めておいていいのだろうか?

優れた製品が手に入ると、周辺機器への波及効果が大きい。「悪貨は良貨を駆逐する」ならぬ「良貨は悪貨を駆逐する」!(笑)


かくして、「善は急げ」とばかりに「AXIOM80」システムの見直し作業を開始~。

以下、続く。


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