「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

やっぱり凄いっ、JBL!

2013年08月08日 | オーディオ談義

前々回の「グッドタイミング!」からの続きです。

およそオーディオの世界では「完璧なシステムはあり得ない」ということを前提にしての話だが、オーディオマニアには3つのタイプがあるように思う。


一番目はたしか「寺島靖国」(オーディオ喫茶店主)さんだったと思うが、自己のシステムを他人と一緒になって試聴しているときに、なぜか平常心を失ってしまうが、独りになって冷静に聴いてみると(音質について)的確な判断ができるという趣旨の話を著書で読んだ記憶がある。いわばお客さんがいるとアガルタイプかな。

二番目は「俺はお客さんが居ようといるまいと、ちっとも変わんねえよ」という、“物怖じしないタイプ”。


三番目が自分のようなタイプで、独りで聴いているときには「ええ音やなあ!」と、ウットリするのだが、他人と一緒に聴いていたりすると妙にクールになってしまい、システムのアラがことさら耳につくようになる。よく言えば自己を卑下する謙遜型、悪く言えばマイナス思考型とでも言うべきか。

4日(日)の13時から始まったオーディオ仲間3人との我が家での試聴会もその例に漏れなかった。

あれほど気に入っていたAXIOM301やAXIOM80の音を聴いていると、たしかに繊細かつ音の抜けは抜群で、いい音には違いないのだが、「これにスケール感さえ加われば言うことないのだが」という無い物ねだりの、普段では考えられないような無理な注文をつけてしまう。

美空ひばりの「夫婦春秋」、ワディム・レーピンのヴァイオリン・ソロなどとっかえひっかえ聴いてもらうのだが、お客さんたちの反応は「いいですねえ!」。しかし、雰囲気からしてお義理の気配が濃厚だし、自分だって
隔靴掻痒の感が拭えない。

ひとしきり、聴いてもらったうえで不完全燃焼のまま最後にJBLの3ウェイシステムに移った。

      

はじめに、カウント・ベイシーの「ビッグバンド」。たっぷりとした豊かな響きが部屋全体にみなぎって場が一気に盛り上がった。「これならゆったりとリラックスして聴ける。いやあ、素晴らしい!」
と、皆さん、あっという間に顔がほころんでニコニコ顔。

そういえば、全員そろって「ジャズ好きだったなあ」(笑)。

次に、「(我が家のJBLは)クラシックでも十分いけますよ」とばかりに、ワーグナーの「ワルキューレ」(ショルティ指揮)をかけてみた。

これまた大好評で「とてもJBLとは思えないほどクラシックも柔らかく聴こえる。これなら長時間聴いてもまったく退屈しない」
と手放しの絶賛ぶり

まことに、いいことづくめで皆さん異口同音に「JBLはやっぱり凄いっ!」

ウ~ン、こういうことならお客さんたちの好みをよく勘案して最初からJBLシステムで聴いてもらえば良かった!

ふと、2年ほど前のブログで「順番への思惑」(クリック可)というタイトルで投稿した記憶が蘇った。

作家「阿刀田 
隆」さんのエッセイによると、自作の短編集では作品を並べる順番に工夫を凝らしており、たとえば全体で10篇あるとすると、気に入った作品が仮に順番にABCDEの5編あるとすれば、最初に持ってくるのがB、その次がA、三番目にCを持ってきて、真中あたりにEを置き、一番最後にDを持ってくるという内容。

その並べる順番の思惑とやらを要約すると、

「やはり最初が良くなくてはいけない。読者は最初の一編を読んで期待を持つ。これが悪いとその先を読んでもらえない恐れがある。ただ、一番先にAを置かないのはBで引き込み、さらに面白いAへとつないだ方が運動性が生じる。展望が開ける。BからAへと弾みをつけ、3番目をそう悪くはないCを置く。そして、最後にそれなりに悪くないDで全体の印象を整える。中だるみのあたりにEを置く理由もこれでお分かりだろう。」という内容。

この要領でいくと、今回、お客さんたちに聴いていただく順番は最初に「AXIOM80」システム、次に「JBLの3ウェイ」システム、そして最後に「AXIOM301」で締めるのがどうやら正解だったようだ(笑)。

ま、「終わり良ければすべて良し」という考えもあるのだが、はたしてどうだろうか。

ちなみに、我が家のシステム編成は持ち主の移り気によってクルクル変わるので、「2013.8.4」現在のJBL3ウェイシステムの概要を記憶に留めておくために記しておこう。

マルチ・アンプ・システムのときは「低音域はDCアンプ、中高音域は真空管アンプを使う」というのが我が家の不変のポリシーである。

音の入り口部分

CDトランスポート(ワディア270) → クロック・リンク → DAコンバーター(ワディア27ixVer3.0)

低音域(~200ヘルツ)

プリアンプ1号機 → パワーアンプ(ケンウッド「01-A改」) → 「JBLーD130(口径38センチ)」(タンノイ・ウェストミンスターのエンクロージャー入り)


中音域(400~1万ヘルツ)

プリアンプ2号機 → パワーアンプ(真空管PX25シングル・1号機) → 「JBL375(16Ω)」(ウッド・ホーン付き)

高音域(1万ヘルツ~)

アッテネーター → パワーアンプ(真空管2A3シングル・1号機) → 「JBL075」(ステンレス・ホーン付き)

チャンデバをいっさい使わない変則的なマルチ・チャンネル方式だが、我ながら苦心に苦心を重ねた産物である。

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