12月27日(金)はお役所の「仕事納め」。昔は「御用納め」と言っていたが、世間様に対して「御用とは何ごとか」というわけで、いつのまにか「仕事納め」に改められた。
図書館もお役所の一環なので年内最後の開館日となる27日は朝から3か所の図書館を巡回して、これまで借りていた本をすべて返却し、新しく13冊を借り入れた。
ただし、自分の場合すべての本を最初から終わりまで読むわけではなくておよそ1/3程度まで目を通してみて、面白くなければあっさりポイと放り出すことにしている。そうじゃないと時間がいくらあっても足りない。したがって、これまでの経験で「当たり」の本に出会う確率はおよそ25%ほどなので、4冊のうち3冊くらいは完読されない運命にある。
そういう中、今回借りたうちで一番のお目当ては「住んでみたドイツ~8勝2敗で日本の勝ち」(川口マーン恵美著)。
いつぞやの新聞の広告見出しでこの表題が目に触れて秘かにマークしていた本で、運よく借りられたのでさっそく昨日(28日)読んでみた。
ドイツ生活30年の著者が領土問題への対応などを含めて政治、経済、文化、教育などの幅広い視点からの「ドイツと日本」の比較論だが、たとえば教育については次のような記述があった。(137頁)
≪日本の義務教育はドイツに完勝!≫
「日本の義務教育は間違いなくドイツよりも良い。私は、教育の最大の目標というのは、国民の学力の最低線を上げることだと思っている。つまり、義務教育の充実だ。一握りのエリートと、沢山の蒙昧な国民がいる国は、良い発展が出来ない。日本に住んでいる人はあまり気付かないかもしれないが、日本は世界でも稀に見る格差のない社会である。
その第一の理由は、義務教育が充実していることだろう。初等教育の段階で不平等が起こると、それがいずれ貧富の差を作り、格差となり、ゆくゆくは社会不安を引き起こす。格差の有無は実は義務教育の充実度で決まるのである。
日本でも近年になり、格差が問題になっているとはいえ、そこで言われる格差など世界の他の国に比べればまだまだ生易しいといえる。
それは何万円もする高級レストランで食事が出来る人々がいるのに、一方ではコンビニのお弁当しか食べられないというような差だ。教育の機会不均等に根差す根源的なものではない。」
といった調子で、著者はかなり色濃く自己主張をするタイプのようだ。しかし、改めて日本を客観的に見つめるのに格好の本だと思った。
もう一つ、「実は身の回りにあふれている日本のすごい発明」(武田知弘著)は雑学好きにはうってつけの本。さまざまな分野から61項目の世界に誇る発明品が紹介されている。
たとえば、ご存知の方も多いと思うがCDに録音ができる「CD-R」の発明は1988年で、発明者は「太陽誘電」社。(134頁)
「That’s」のブランドで知られる同社は「どんなCDプレイヤーでも再生できるCDーR」の開発に向けて、3年の歳月をかけて苦労の末にようやく基本特許を取得して完成するに至った。
したがって、CD-Rを購入するときは開発するときの膨大なコストと手間に敬意を払っていつも同社の製品を優先することにしている。
ほかにも音楽関係の本が3冊。
指揮者リッカルド・ムーティの自伝、エーリッヒ・クライバーの生涯、そして世界の著名な演奏家たち50名をインタヴューしたうえで、料理のレシピになぞらえて解説した「クラシックはおいしい」はなかなか面白そうだ。
今回は珍しく「当たり」の確率が高い本が多そうな予感がする~。
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