「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

ネットオークション 二題

2014年05月27日 | オーディオ談義

☆ アッテネーター

当面これといって必要なものが見当たらず、一応間に合っているオーディオ機器だが、いつものクセで何か掘り出し物はないかとネット・オークションを覗いていたら目に触れたのが〇〇電子の「アッテネーター」。

オーディオで厄介なのは「磁界」対策と「振動」対策で、肉眼で見えないから始末に悪いが、このメーカーの製品は筐体が人造大理石になっていて、当然のごとく磁界の影響に細心の注意を払っている。一事が万事で、このことだけをとってみても「(オーディオが)分かっている」メーカーである。

現在の入札価格を見てみると、22500円なり。以下、「リアリティ」を持たせるためにあえて金額を前面に出させてもらおう。

このくらいの額ならと一気に「落札」モードに入って41000円で入札したところ案の定、「現在の最高額入札者」のメールが届いた。

「よし、よし、このままほっとけば、軽く落札だろう」とたかをくくっていたら、そうは問屋が卸さなかった。どこかの誰かがすぐにそれ以上の高値を付けた模様で早々に「高値更新」のメールが届いた。

以前、オークションで落札するためのノウハウ本を読んだことがあり、その中で「気合で勝負」というのがあった。

どういうことかというと「どうしても落札したい商品があったら、誰かが入札したときに間髪を入れずそれを上回る高値で入札すると、相手方は“凄く熱心な奴がいる、おそらく高値になるに違いない”と、戦意を喪失する」とあった。

まったくそのとおりで、一気に諦めムードになってしまった(笑)。

それにしても、プリアンプならいざ知らず、たかがアッテネーターなのに、はたしてそんなに魅力があるものなんだろうかと疑問が湧いたので、急いで〇〇電子さんのホームページを覗いてみた。

該当の商品は、XLRとRCA兼用の高級アッテネーターでメーカー価格は税抜きで115000円なり。エッ、そんなにするの、道理で~。とにかく使ってあるボリュームが高級品である。メーカーの解説を覗いてみよう。
                

「従来からパッシブ型プリアンプを販売させていただいておりましてご好評をたまわっております。使用しているボリュームは私共の全機種に搭載している国内で最も信頼性が高いアルプス電気製の"RK27"という二連又は四連のタイプです。

左右相互偏差(ギャングエラー)は-60dbまで絞ったときMAX3dbで殆どの場合十分な性能ですし音質的にも満足出来るものです。これ以上のものは他社には存在いたしません。

但し時として最小音量の場合(アンプのゲインによりますが)の偏差を何とかしたいと想う事も御座います。
これを解消するには抵抗の組み合わせによるロータリースイッチ方式或いはアルプス電気製の超高級真鍮削り出しの"RK50"の採用しかありません。

私共では数年の実験を繰り返した結果"RK50"の採用に踏み切りました。
-80dbまで絞っても左右相互偏差は3dbMAX(実測してみて驚いております)という驚異的性能で、廻した時の感触も抜群です。」

根が単純で、メーカーの宣伝文句をすぐに信じ込みやすいタイプである。

「これは良さそうだ」ということで、RCA専用のアッテネーターをついクリックして買い物籠へポイッと放り込んだ。半日とおかずに、メールが来て「納入は5月30日の予定です。」どうやらこれからボリュームを注文して組み立てるらしい。

いまだに「アッテネーター」と「プリアンプ」のどちらを使うか、選択に迷っているが今回のアッテネーターは高級ボリュームなだけに非常に楽しみではある。

ちなみに、この出品されたアッテネーターの落札価格は55000円だった。定価の割には安い!XLR兼用でなければ最後まで入札に参加したのだが。

☆ プリアンプ

さあ、次にプリアンプ。注目のマッキントッシュの「C22」(復刻品)が、何と梱包状態の新品のままオークションに出品されていた。

                      

マッキンのC22といえば、3年ほど前に大分のお寺で開催されたSPレコードの試聴会のときに、使われていて惚れ惚れするような音で鳴っていた。もちろんすべてのシステムのバランスが良かったのだろうが、「C22」が悪ければこういう音は出ない。

その時の音が耳にこびりついているので、簡単にほっとく手はない。ただし、オリジナルと違って復刻品なのでその辺がどうかと一抹の不安がある。こういうときはいろんな方のご意見を拝聴するに限る。

まず我が家のアンプのお師匠さんであるMさん(奈良)にメールを送った。

「お久しぶりです。現在オークションでマッキンのC22プリアンプが未開封品として出品されてます。出品元もたしかですし、食指が動きます。もし購入した時に、一度聴いてみて、改造の要があるとなればお願いしたいのですが、その気はおありでしょうか(笑)。いつもお願いする時ばかりの手前勝手なメールですがどうかご一考の程、お願いします。」

すぐに返信のメールが届いた。

ある方が、言ってました。

<名器は所有するものでなく預かるものだという意識があまりにも希薄ではないでしょうか。名器に手を加えるなど、もってのほかです。ヴィンテージ・オーディオの中の名器とは文化財と言っても過言ではありません。・・・・。>

この意見に賛同しております。ましてや未開封品とのこと!もし聴いて好みでなければ、処分するか飾りにしてください。

なお、C22も初期型でなければ、真空管の回路構成からして違いますし別物のようです。お知り合いの方にC22(復刻品)を使っている方がおられましたら、一度試聴にお借りしたら如何でしょうか?」

ごもっともです。ただし、借用するとなると落札期日までにはとうてい間に合いそうにないので、今度はオーディオ仲間のKさんにお伺いしてみた。すると、全般的にやや否定的なご意見だった。

現にC22(復刻品)を使用されている方もいらっしゃるだろうし、お気を悪くされるといけないので、ここでは詳細を省くが、いさぎよく諦めることにした。

「大山鳴動してネズミ一匹」とは、このことだった(笑)。

ちなみにこの「C22」(復刻版)の落札価格は326000円なり。おそらく販売当時の定価を上回っているのではなかろうか。

今さらながら根強い人気に驚くが、落札終了の10分前では252000円だったのに直前のたたき合いで何と10万円もアップ。どうやら極端に熱くなった人たちによって凄絶なバトルが展開されたようだ。

まるで、ただ「春の夜の夢の如し」(平家物語)

 

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