「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

あ~あ、楽しみは「音楽&オーディオ」だけになったか

2022年04月07日 | 独り言

「先生(医師)、この心臓でせめてあと10年は持ってほしいんですけどどうでしょうかね?」

「それは、あなたのこれからの生活態度次第ですよ。適度な食事と運動に尽きますね」

「アルコールはどうですかね、止めた方がいいでしょうか・・」

「少量なら構いませんが、アルコールは脳を麻痺させますので食欲のブレーキ役よりもむしろ昂進させるところがありますから、止めておいた方が無難じゃないですか・・」

2月末から小刻みな入院による「心臓治療」も、ようやく今回の「4月3日~6日」の3泊4日の入院で終わりを迎えて、術後の医師との最終面談がこれだった。

なにしろ無事終わってホッとしているが、これで食べる楽しみと、飲む楽しみが無くなって、残るは「音楽&オーディオ」だけとなった。

これ以上、老醜をさらしたくないのはやまやまだが、もう少し「音楽&オーディオ」の本質に近づきたいという意欲だけは残っている(笑)。

それにしても病院の食事の小量さには驚いた。1日2000キロカロリーということだが、ご飯が小さな茶碗に8分目、一汁2菜と魚、少量のデザートというパターンだった。

いかに日頃から食べ過ぎだったかというのがよくわかったのが今回の一連の小刻みな入院を通じての最大の収穫だった。

心臓はたとえて言えばクルマのエンジンみたいなものだが、小さな排気量になったのだから必要最小限のガソリンによる省エネ走行が一番合っているのだろう。

で、今回の入院中に持って行ったのが次の2冊



どちらも隣町の「鄙びた図書館」の「本屋大賞コーナー」で借りてきた本。

「夜のピクニック」は「恩田陸」女史の著書で、あの「蜜蜂と遠雷」で好印象を受けたので借りたもの。

いわば青春小説というのか、高校3年生の男女の心理状態が克明に描かれていてとても興味深かった。

ストーリーの設定は、父親が愛人に生ませた子(女性)と主人公(男性)が高校3年生の時にたまたま同じクラスになるというもので、学校行事「夜通しの80Kmウォーキング」を通じてお互いの距離感が近づくというストーリー。

共感を覚えた読者のレヴュー(ネット)がこれ。

「全校生徒で夜通し歩く行事の中で綴られる青春物語。ただし学生の恋愛や友情ではなく複雑な事情でコミュニケーションを拒絶してきた二人が向き合うという話なので大人の自分でもすごく楽しめた。

そして、その舞台が歩行祭という学校行事だからこそ、限りある時間の尊さも浮かび上がって、たしかに学校行事ってかけがえのないものだったな・・。友達の新しい面を知ったり、新しい人と話すきっかけになったりして。

主人公に親友が話す雑音の話や、最後はもう戻れない新しい現実に向かう感覚も描かれたのが素晴らしかった。心から読んで良かったと思う作品」

次に読んだのが「羊と鋼の森」。

タイトルに大いに興味を惹かれて手に取ったのだが、小さな山村に生まれた主人公(男性)が「ピアノ調律士」になって修行するというストーリー。

ピアノは周知のとおり「鍵盤と連動したフェルトで鋼鉄の弦を弾きその音を響板で響かせる」という楽器だが、はたして打楽器なのか弦楽器なのか。

なにしろ低音域が一番豊かな楽器なのでオーケストラの代役でも勤まる代物。

クラシックの本場ヨーロッパで活躍されている指揮者「大野和士」さんがオペラの練習の時に楽団員のストライキに遭遇し、困り果てて代わりにピアノを弾いて歌手の練習を強行した逸話がテレビで放映されていたのが記憶に残っている。

で、フェルトは羊毛を固めたものであり、弦は鋼で出来ているので「羊と鋼の森」というタイトルの所以となっている。


ピアノに興味のある方にはもってこいの本だと思うが、読後の感想としてはどうも蒸留水のような淡白な印象が拭えなかった。

こういう本を書けと言われても自分には書けないので、たしかに「力作」には違いないが、もう少し全般的に「人物像の彫り」が深いとよかったのに・・。

題材が見事なだけに惜しい気がする。

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