「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

ウェスタンサウンド

2013年05月01日 | オーディオ談義

昨日は29日の試聴会の興奮冷めやらぬままに、「いやあ、凄い音でしたねえ!」と、メンバー3人でそれぞれ電話とメールで連絡を取り合ったことだった。

どうやら人間の脳は視覚よりも聴覚の方が鮮明に記憶に残りやすいようである。

たとえば「養老 孟司」さんの著書「耳で考える~脳は名曲を欲する~」の第一章「なぜ人は音楽で感動するのか」に、こう述べられている。


「耳の三半規管は身体の運動に直接つながっているので退化せずに残っており、情動に強く影響する“
大脳辺縁系”
と密接なつながりを持っている。そしてこれと一番遠いのが”目”。だから、目で見て感動するよりも耳で聴いて感動する方が多い。」

よく「女性は目よりも耳で恋をする」という話を聞くが、口説き文句に弱いというのが実によく分かる話である(笑)。

さて、日頃のオーディオ仲間からもさっそく反響があってAさんから次のようなご連絡があった。

「VT52(ウェスタン、刻印)は私も持ってますよ。30年以上前に購入したものです。綺麗な音が出ていましたが、どうも柔らかすぎて、アンプの方は知人に譲りましたが、真空管だけは手元に置いてます。それほど力強い音が出たとは驚きです。今度Kさんがお見えになるときに、ぜひVT52アンプを持ってきていただくようにお願いできませんか。手元のVT52を差し換えて聴いてみたいです。」

「分かりました。その旨、お伝えしておきます。このVT52は定数の設定が難しくて、相当熟知した人にアンプ作りを任せないとうまく鳴ってくれないようですよ。」

同じ三極管なのに、名管とされる「WE300B」(アメリカ)、「PX25」(イギリス)と比較して、比較的影が薄いVT52だが改めて興味をそそられたので、真空管愛好家のバイブルとされる「歴代名出力管」(ステレオサウンド社)を、めくってみたらばっちり試聴結果の紹介がされていた。(42頁)

                          


評論家三氏のコメントが記載されていたが、その内容があまりにも一昨日の試聴会の結果と類似しているのに驚いた。昨日のブログでは、なにせボキャブラリーが貧弱なので、せいぜい「音の中に鋼(はがね)が入ったような」という形容しか思いつかなかったが、改めて評論家諸氏の的確無比な表現を紹介させてもらおう。

少し長くなるが、悪しからず。

岡田 「軍用に作られた球です。フィラメントの最適値がいろいろありますが、6~7V(ボルト)の範囲で使うよう設計されています。」

 「明瞭で強靭、そしてパワー感豊かという一般に言われるウェスタンサウンドそのもの。WEの出力管に共通する豪快で説得力のある球です。ボーカルはあたかもアーティストが目の前で歌っているようなリアリティを感じます。しかも明瞭度が高く、一音一音がハッキリ伝わってきます。また、弦の弾みが感じられるベースなど、楽器が細かなところまで丁寧に描き出されているのも好ましく思います。」

篠田 「まず低音域が素晴らしい。深くて厚みがある上に切れもいいので鈍重な響きにならず、気持ちよく弾んで分解能もいいんです。さらに高音域も伸びやかでとてもきれいです。それに音楽の細部まで鮮やかに描ききる緻密な再現力も見事ですね。」

岡田 「私も音が出てすぐにこれはウェスタンの音だと思いました。パワー感や勢いのある音にそれを感じるんですが、それにしても先ほど聴いた45などの動作条件とほとんど変わらないのに出てくる音は随分違うものですね。ボーカルは太い声でエネルギッシュに歌って説得力があります。加えて、感情の起伏も細やかに描き出されて表情が豊かです。交響曲は奥行き感のあるオーケストラが聴けました。また、音がだんだん大きくなっていくところではダイナミックレンジの広さが感じられました。ジャズは演奏者の唸り声が明瞭に伝わってくる、臨場感豊かな音が聴けました。たいへん素晴らしい球だと思います。」(以上、一部抜粋)

以上のとおり絶賛そのものだが、あれが紛れもない「ウェスタン・サウンド」だったのかと、ようやく得心がいった。一部のマニアの間で、ウェスタン、ウェスタンと“うわ言”のように繰り返されるはずである。

一言でいえば「音が明瞭で強靭、相手目がけて飛んでくる。充実度が高く音楽表現も豊か」。

曲がりなりにもオーディオを長いことやってるが、音にこれ以上望むことが何かあるんだろうか?

 

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