「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~クラシック愛好家のご来訪~

2008年11月17日 | オーディオ談義

以前のブログ「不要になったオーディオ機器の行く末」の中で、図体が大きすぎて置き場所に困ると槍玉に挙げていたスピーカー(SP)のタンノイ「インパルス15」の引き取り手がようやく見つかった。

もうご用済みといってもいい存在のSPだが手放すのも何となく寂しい気がして中途半端な気持ちのまま小さな簡易倉庫に放置して10年以上過ぎていたのだが、ほかのオーディオ機器も増えてきて段々手狭になってきたので、まだ十分音も出るし誰か使ってくれる人がいないかなあと思っていたところ、高校の同窓生で福岡在住のS藤君が「使ってあげてもいいよ」と親切に申し出てくれたもの。

本宅とは別に”留守宅”を持っているのでそこに置いて鳴らしてみようというわけで、これはたいへんありがたい話。

11月15日土曜日の午後、福岡から高速道経由でこれまた高校同窓のO部君と一緒に引き取りにやってきてくれた。両君とは今年の4月に拙宅に試聴にきてくれたので約7ヶ月ぶりの再会。

日頃、自分のブログを見てくれているそうで
「”アキシオム80”というSPは何ものぞ?」という好奇心と同伴でやって来たのはいうまでもない。

         「アキシオム(AXIOM)80」 →   


両君とも根っからのクラシックファン。まずO部君が持参した中から取り出したCD盤がブレンデルが弾くモーツァルトのピアノ協奏曲12番と17番のカップリング。

モーツァルトのピアノ協奏曲は20番以降(27番が最後)が有名だが10番台が好みの人はなかなかいない。彼はアンプのキット販売で有名なサンバレーのホームページ「ザ・キット屋 店主のひとり言」がお気に入りで、その記事を見てこの盤を発掘したそうで、何度聴いても聞き飽きることがないとのこと。

まず「ワディアの270CDトランスポート」(以下「270」)で聴いてみたが、17番2楽章が鳴り出した途端に秋の木漏れ陽が差し込む部屋の中が一瞬のうちに「静謐感」に包まれた。最近ジャズを聴く機会が多かったので音質(オーディオ)に傾いていた振り子が一気に音楽に戻った感じがして思わず居住(いず)まいを正した。

こういう曲を聴くときは浮ついた気持ちではまず鑑賞できない、「自己の内面と静かに向き合う心の落ち着き、ゆとり」が必要だと思うが日頃重責を担っているO部君も土曜日の夜遅くをこういう音楽の鑑賞タイムに当てているとのことで何だか分かるような気がする。

それにしても、いつもは生真面目すぎてややかた苦しさを覚えるブレンデルだが、この曲目ではバッチリとはまっていて絶妙の間の取り方といい、これはたしかにいい演奏だなあとつくづく思った。ブレンデルを見直したが、フィリップス・レーベルなので録音も抜群。

以後、同じモーツァルトの交響曲36番リンツ(パイヤール指揮イギリス室内管弦楽団)を聴いた後、今度はS藤君が持ってきた佐藤しのぶさんの「ブラームスの子守唄」、レオンスカヤの抒情味たっぷりなショパン「ピアノ協奏曲1番」を試聴。

一区切りついた後、今度は自分の方からモーツァルトのピアノ協奏曲13番2楽章(ミケランジェリ演奏)を試験台にしてiPodによる「ワディア170iトランスポート」(以下「170」)とCDによる「270」との聴き比べを提案。

その結果、まずO部君は「170」で聴くと頭が痛くなるとのことでまったくの否定的な意見。S藤君も同様の意見で軍配は圧倒的に「270」へ。前回の「大分3人組」よりももっと激しい拒絶反応だったのには驚いた。

もっとも、O部君はレコード愛好家で日頃EMTのプレーヤーでアナログの音に親しんでいるので格別の違和感を覚えたのに相違ない。

しかし、何もデジタルの応援をするわけではないがテレビ画像を例にとると昨今の地上デジタルによる鮮明な画像を見慣れるとこれまでのアナログの画像を見る気がしなくなるのは全員同じだと思う。

情報量の多い画像にしてこういう有様だから、音質においても言うに及ばず(アナログよりも)デジタルがいいに決まっていると問題提起してみたところ聴覚は視覚と違って空気の振動を身体全体で受け止めるから事情が違うという論議になった。やはり聴覚の世界は視覚と違って奥が深そうだ。

さて、音楽鑑賞が一区切りついたあとは「アキシオム80」用のアンプの真空管をWE300Bオールドからゴールデン・ドラゴンの「4-300BC]に替えたりしてオーディオ遊びをやって楽しんだ。

面白いものでヴァイオリンは「WE300B」が好評だがピアノは「4-300BC]がよかったりして一概にどちらがいいとか言えないところがオーディオの難しいところ。

3時間半ほど試聴しただろうか、時間があっという間に過ぎたが別府では雨もポツリポツリと落ちはじめこれから福岡に戻ってSPの設置作業を控えているS藤君のことも考えて16時を目安に帰り支度をということになった。

とにかく久しぶりにクラシック音楽愛好家を迎えて楽しんだ1日となった。

さて、以上を書き終えたところ、S藤君とO部君から相次いでメールが飛び込んできた。

S藤君からは「無事到着、至福のひと時をすごさせてもらった」(15日19:54分)

O部君からのものは概要次のとおり。(16日日曜日14:51分)

「アキシオム80」に興味津々だったので試聴できて感激。感想としては「弦は正に”生”の音だった」が「ピアノの音にはやや高域不足を感じた」とのこと。

ウーン、実をいうと自分もやや高域不足を感じていたので日曜日の早朝(朝の4時!)、目が覚めるや否や”ハンダごて”を持ち出して高域を受け持つJBL075用のコンデンンサー(スプラグ:ビタミンQ)を0.1μFから0.22μFに取り替えて高域の拡大を図ったところだった。

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