つい先日、オーディオを始めてから3年ほどと仰る方からメールをいただいた。
当方のブログを読まれたついでに自己紹介欄のメルアドをご覧になられたご様子。要約させていただくと、
「〇〇県の〇〇と申します。オーディオ歴3年で年齢も40の若輩者です。今後ともブログ拝見させて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。」
まずは、ご挨拶かたがた「初めまして」というわけだが、すぐに返信した。
「メール拝読しました。「音楽&オーディオの小部屋」こと、別府市在住の〇〇と申します。こちらこそよろしくお願いします。」
そうですか、オーディオ歴3年ですか・・・。まだ「バラ色の夢」が持てる段階なのがとても「うらやましい」(笑)。
「もしアドバイスを求められたらどうしよう。」なんて、つい取り越し苦労をしてしまった。
先輩面(づら)していろいろアドバイスをできるほどの知識を持ち合わせていないし、またそういう「柄」でもないし、ましてやその資格もないが、この道でいたずらに50年近く馬齢を重ねてきたので後悔や失敗談となると数えきれないほどある。
そういう視点から考えると現時点で3点ほど思いついたので、せっかくの「ご縁」でもあり老婆心ながら記してみよう。
1 他流試合
物事を極めていくにはまず目的を定め、適切な手段を講じていくのが常道だが、オーディオの目的が何かといえば「好きな音楽を好きな音で聴くこと」しかない。
しかし、好きな音楽はすぐにわかるが「好きな音」を見つけるとなるとこれが一筋縄ではいかない。自分だっていまだに好きなサウンドが絞り切れていないし、どれもこれも好きな音に聞こえてしまうのがホンネだ。システムを日替わりメニューのようにくるくる変える浮気性なのもきっとそれが原因に違いない(笑)。
そのためにはできるだけたくさん他家の音を聴かせてもらって、比較することで「より自分の好きなサウンド」を追い求めるしかないと思っている。こればかりはもう時間と足にまかせて稼ぐしかない。場数を踏めば踏むほど「耳の財産」になるのは間違いなし。積極的に他流試合をお奨めする所以である。
2 半信半疑
オーディオの世界は「音響物理学+個人ごとの感性」によって成り立っているといえよう。前者による理論については大切にしなければならないのはもちろんだが、後者の個人ごとの感性ともなると人それぞれの顔が違うように千差万別である。
したがって、巷における様々な記事には主観に基づいた「名言ならぬ迷言」に近いものが紛れ込んでいるのも事実。うかつに信用すると大火傷する場合があるので、どんな記事や発言でも「半信半疑」つまり、50%は信用し、50%は疑いの眼を向けるクセをつけるといいと思う。
このブログに書いてあることだって責任を持てないので絶対に真に受けないようにしてくださいね~(笑)。
3 オーディオ仲間
オーディオの世界は「情報が力である」とはっきり言える。個人でどんなに頑張ってみても進捗度合いは知れており、どうしても仲間たちとの情報交換が必須になる。
自分のケースでいけば、SPユニットや古典管のノウハウは書物だけでは絶対に無理で仲間との交流を通じて得られたものばかり。
ただし、この仲間選びがとても大切にもかかわらず、たまたまの「出会いの運」が大きく左右するのは否定できない。選択を一つ間違うと方向性が大きく逸れてしまう危険性があるので慎重な対応が必要だ。
この辺の微妙な距離関係を強いて表現するとなると「和して同ぜず」(論語)という言葉が浮かんでくる。
周知のとおり「意見が同じならば他人と協調するが、おもねって妥協することはしない。」という意味だが、いくら仲間といってもその意見にむやみに流されないようにしたいものだ。そしてつまらない意地を張らないこと(笑)。
いずれにしても「オーディオ道」へ邁進する過程で仲間との関係をどう構築するかは無視できないテーマであり、これは誰しもがきっと思い当たるはず。
ちなみに、念のために申し添えておくと現在の我がオーディオ仲間は自分にはもったいないほどの素晴らしい方々ばかりである(笑)。
以上、これまでの失敗体験を踏まえての、まことに「おこがましい」アドバイスになったが、〇〇さんのご参考になれば幸いです。
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