「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

スピーカーの楽しみ

2017年07月25日 | オーディオ談義

オーディオシステムの中で中心的な役割を果たしているのは周知のとおり「スピーカーとアンプ」ですよね。

そして、どちらを優先するかという話になると、その道の教則本には「まず好みの音を出すスピーカーを決めて、それからそれをうまく鳴らしてくれそうなアンプを選ぶ。」と書いてある。

つまりスピーカー(以下「SP」)を優先的に考えるべきということだが、自分の経験で言わせてもらうと、その「好みの音」を出すSPを決めるのが難しい。

これまで50年近くオーディオをやってきていろんなSPに接してきたが、いまだに「好みの音」が定まらない。というか、どうしても一つに絞りきれない。

たとえば両極端の音とされるグッドマン(イギリス)とJBL(アメリカ)が「両方とも大好き」というのがそれで、片や内向的で一癖もふた癖もある翳りのある音、片や屈託がなく明るくていかにも澄み切った青空を思わせるような音
。前者を「影」とすれば後者は「光」ともいえる。

まるで我が二面性を象徴するかのようで、その移り気な中途半端振りにきっと眉を顰める向きもあるかと思うが、今では「両方のスピーカーを愛好して何が悪い」と、やや開き直り気味だ(笑)。

そして、つい最近また「悪乗り」をしてしまった。

JBLの「LE8T」(口径20センチ)と「D130」(口径38センチ)に惚れ込んだと思ったら、次は口径30センチのユニットならどういう音が出るんだろうと興味津々。もしかしてバランス的には一番かもしれないなあ。

その昔「JBL ノヴァ88」(ウーファーが口径30センチ)というスピーカーが発売された当時、あの瀬川冬樹さんが「たしかにJBLらしい本物の重低音を出してくれる」と激賞されていたのを思い出した。

思いたったが吉日、さっそくオークションでググってみると「D123」(口径30センチ)が目に入った。

          

これ、これっ!片方は中央のアルミ部分が若干ひしゃげているが経験上、音質にさほどの影響はあるまいと踏んだ。

肝心のお値段も手ごろだったし無競争で落札し、21日(金)に無事我が家に到着。

土曜日(22日)の朝一から取り付け作業にかかった。迷うことなくフィリップスのユニットを取り外し同じバッフルを利用することにした。バッフルの入れ替えが簡単に出来るようにグッドマンの指定箱を改造しているので大いに重宝している。

クロスオーバーは、パイオニアのネットワークを使って「8000ヘルツ」(12db/oct)にして、現在「予備役編入中」の「JBLの075ツィーター」(削り出しステンレス・ホーン付き)をマイカ コンデンサーで心もちローカットして載せてみた。

               

エンクロージャーの排気口には、ちゃっかりグッドマンの純正「ARU」を利用してみた。結線を済ませて、さあ、どんな音が出るんだろうかとハラハラ ドキドキ ワクワクしながら、音出し。

想像以上のいい音だった!いろんなジャンルを鳴らしてみたが低音域から高音域までとてもバランスがいい。

試しにJBLが苦手とするヴァイオリンを聴いてみると、水も滴るような見事さで、JBLからこんな艶やかな音色が聴けるなんてとうれしい悲鳴。

低音域の厚みを考慮すると「AXIOM80」よりも上かもしれないと思わせるほどで、おそらくエンクロージャーの大きさ、排気口の具合、羽毛の吸音材、ツィーターの性能などがうまくマッチングしたのだろう。

ただし自分の耳だけでは心許ないし説得力に欠けるので(笑)、一昨日の23日(日)に近所にお住いのYさんに来ていただいた。

「JBLのD123を手に入れましたよ。一度聴いてみませんか。」すると、一つ返事でOK。我が家にはおよそ1か月ぶりのご来訪だ。

駆動するアンプは初めに「WE300B」、次に「PX25」。

          

Yさんが持参されたのは、次のCD。

            

JBLが相手と聞くと、わざと苦手なソースのヴァイオリンのCDを持ってこられるのだから何とも底意地が悪いお方だ(笑)。

「どうせうまく鳴ってないだろう」と先入観に支配されたお客さんを迎えるのは大の苦手だが(笑)、5トラックの「タイスの冥想曲」にじっと目を瞑って耳を澄まされていたYさんが珍しくべた褒めされた。

ただし、JBLのD123もさることながら「WE300B」アンプの方にゾッコンだった。

「このアンプは凄いですねえ・・・。JBLと相性が抜群ですよ。明るくて屈託がなくてスッキリ、爽やかでJBLの魅力全開といったところです。以前聴かせてもらったときよりも明らかに良くなってます。前段管を171(トリタン)に替えた効果が出ましたね。気になるところが無いので、(キカイを意識することなく)音楽に浸れる感じです。」

「そうですねえ。ようやく一つの理想的な音に出会った感じがしていますので、この辺でスピーカー転がしは打ち止めにしようかと思ってます」。

と、返事をしたが、油断は禁物。

これまでの苦い経験を踏まえると、「どんなスピーカーでもじっくり聴きこむと何らかの不満が出てくるもの」なので、少なくともあと3週間ほどは様子をみることにしよう(笑)。


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