20世紀日本を代表する作曲家の一人「中田喜直」(なかだ よしただ)の作品に「夏の思い出」という唱歌がある。
「♪ 夏が来~れば 思い出す~ はるかな尾瀬(おぜ) 遠い空 ♪」
こういう書き出しのもとに、新装した小型スピーカーに関して(ブログを)登載したのは6月初めのことだった。
あれからおよそ1か月、この小型スピーカーについては(ブログ上では)ウンともスンとも音無しの構えだったが、ハッキリと口には出さねども我がオーディオルーム内ではまるで内弁慶のように大活躍だった。
小型スピーカーといっても、わずか口径10センチ程度のミニだからバカにされる方もいるだろうが「山椒は小粒でもピリリと辛い」というが、まったくそのとおり。
何といってもユニットの出自がオランダ・フィリップス社製だから、音質には定評のあるCDレーベル(フィリップス)と同様に音質は間違いなし。まったく惚れ惚れするような鳴りっぷり。
はじめのうちはテレビ音声だけに接続していたのだが、そのうちこんな「いい音」をもったいないというわけでとうとうCDまで聴けるようにした(笑)。
システムの流れはこうである。
CDトランスポート「ヴェルディ・ラ・スカラ」(dCS) → DAコンバーター「ワディア27ixVer3.0」 → プリアンプ「真空管式3号機」 → パワーアンプ「71Aシングル・2号機」
これで我が家には現用中のスピーカーが4台となった。
1 ウェストミンスター(フィリップス+ワーフェデールのユニット)
2 グッドマンの300+FANE社のユニット(グッドマン指定の箱)
3 グッドマンのAXIOM80(グッドマン指定の箱:最初期版)
4 フィリップスの口径10センチのユニット(小型エンクロージャー入り)
今のところこの中で一番聴く時間が多いのは残念なことに(?)4である。
4を聴いた後にほかのスピーカーに切り替えると中低音域の反応の鈍さ(スピード感の欠如)に驚いてしまう。
以下、我が家に限っての現象かもしれないので真に受けてもらっても困るが、誤解を恐れずに言わせてもらうとCDプレイヤーやアンプは性能が悪いとまるっきり使い物にならない。ただ捨て去るのみだが、スピーカーに限っては口径の小さなものから大きなものまでそれぞれに使い道がある。
つまり、ユニットの口径の大きさに応じてそれぞれに長所と欠点があって、小型ユニットにはネットワークが介在しないシングルコーンの素直な音質、音声信号に対する応答性の速さなど欠点を補って余りあるものがある。
周波数レンジは低音域がたかだか60ヘルツ前後ぐらいだろうし、高音域は7000ヘルツ前後からダラ下がりだと思うが、小編成の音楽を聴くのにはこれで十分。むしろ余計な付帯音が出ないだけいいのかもしれない。
ちなみに、音響学の権威「オルソン博士」の「40万ヘルツの法則」というのをご存知だろうか。ずっと昔のブログにも書いたことあるが、人間が自然な音として聴ける可聴帯域のことである。たとえば、オーディオシステムにおいて低音域の周波数が30ヘルツまで伸びていれば、高音域は13000ヘルツまで出ていれば良しとされる。つまり30×13000=390000≒40万ヘルツ。
これが低音域がせいぜい50ヘルツまでしか出せないとすると高音域は8000ヘルツあたりが適当な数値となる。つまり50×8000=40万ヘルツといった具合。
したがって、もし、低音50ヘルツの状態で高音域だけ1万ヘルツ以上出たりすると、警察に逮捕されるというわけでもないが(笑)、高域に偏った音になって聴く方の耳が疲れてしまう、という説である。
「高音域を伸ばすのは比較的簡単だが低音域は一筋縄ではいかない。」のは、マニアなら誰でも経験することだが、このことは「周波数レンジを欲張ると碌なことにならない」という戒めでもある。
ただし、この説を信じるも信じないもあなたの自由なので念のため(笑)。
まあ、そういうわけで大型システムと小型システムの良さを交互に確認しながら「音づくり」を進めていくと何だか大きく道を踏み外すことが無いように思えてくるから不思議。なにしろビンボー人にとって無駄遣いは一番の大敵なんだから(笑)。
ちなみに、4で聴くボーカルは絶品である。
そこで、このほどボーカルばかりを集めたCDをまとめてオークションで落札した。
両方合わせて26枚でお値段は7300円なり。1枚当たり300円程度だから超安い!
パソコン系の機器でいったん取り込めばあとは不要というわけだろうが、このところCDの値段がバカ安だ。ジャケットがないとどうも落ち着かない旧石器時代のオジサンにとっては夢のような時代が到来した(笑)。
クリスタ・ルートヴィッヒ、ナタリー・デセイ、チェチリア・バルトリ、リタ・シュトライヒ、ルチア・ポップ、フェリシティ・ロットなど名歌手たちが多士済々。
この小型スピーカーのおかげで大当たり~(笑)。