オーディオの楽しみ方は人それぞれ。
誰もが口を挟む余地はないが、我が家の場合はどんなに気に入った音が出ていようと、新しい機器を導入して音出しをするときが一番ワクワク、ドキドキするので、そのうち刺激が欲しくなってついつい交換したくなる。
しかも少額の投資で期待以上の音質が出たときの喜びに優るものはなく、やっぱり「三つ子の魂百までも」、どうやら「ビンボー育ち」は終生争えないようでして(笑)~。
今回もまさにそうだった。
前回のブログに記載したように3日(金)のお昼ごろに到着した新たな小型エンクロージャー。
左側の汚い箱がこれまでユニットを容れていた自作の箱で、右側が今回新たに導入した箱。見かけにはあまりこだわらないタチだが、まるで月とスッポンでチョッピリ恥ずかしくなった(笑)。
新たなエンクロージャーは想像した通り実に丁寧に作られていて、とても素人の及ぶところではない。ネジ止めする箇所がまったく無くて完全密封型なのでユニットは外側から取り付ける仕組みになっている。
こういう方式の場合、一番心配していたのがフィリップスのユニットの口径がピタリと収まるかどうかにあった。万一のときは補助バッフルを使う算段をしていたのだがどうやら杞憂に終わったようで口径10センチの寸法がピッタリ合って、ホット一息。
ユニットの外側2か所に細かい刃のドリルで穴を開けネジで止めて、ほぼ30分ほどで結線完了。さっそく音出し~。
緊張の一瞬だったが出てきた音を聴いて、ウ~ン、何と表現したらいいんだろう?
明らかにプラスとマイナスがあるようだ。
まずマイナスの面から言えば、
☆ 音がややこもり気味で鮮度がやや落ちる
☆ プリアンプのボリュームが12時の位置で聴いていたのが2時の位置になった。つまり能率が悪くなったが、これは自作のホーンが無くなったことにより音圧が減少したことも一因だろう。
プラスの面から言えば、
☆ 後面開放時と比べると、音が鳴り止んだときの静けさや余韻がまるっきり違う。余計な付帯音が無くなった感じ。
☆ 「音の佇まい」とでもいうべきか、ステージ(舞台)の上に歌手がすっくと立っている感じが伝わってくる。
まあ、以上のように一長一短で各人の好みの差もあろうが、何といっても「音の佇まい」は「音の品格」に直結する。やっぱり家庭でクラシック音楽を楽しむ限り、オーディオの最後の決め手は「音の品格」に求めざるを得ない。
よし、このエンクロージャーでしばらく様子をみてみることにしよう。
それにしても、ちょっと音が上ずり気味のような印象を受けたので、試験的に羽毛の吸音材を活用してみることにした。
左側の白い袋状のものが自作の「羽毛が詰まった吸音材」である。
まず右側の箱だけに「羽毛の吸音材」を入れ、左側はそのままにして比較試聴してみると明らかに右側の音の方がクリヤかつシットリとして落ち着きがある。どうやら吸音材を容れたほうがよさそうだ。
これで好感度90点に跳ね上がった。
それから、このエンクロージャーの到着時に白いクリーム状のものが小さなビニールの容器に入って同梱されていた。いったいこれは何だろうと、問い合わせてみたところ
「手入れ用のオイルです。一ヶ月ほど後に柔らかい布につけて磨いてください。おおよそ2回分あります。間隔は3か月です。その後は乾拭きだけで大丈夫です。」
とのことだった。たとえ手放したとはいえ、このエンクロージャーに対する製作者の愛情がヒシヒシと伝わってくるではないか!
メーカーの大量生産品には望むべくもないことで、何だかほのぼのと心が温かくなり、出てくる音までもが暖かくなったのは、これはいったいどうしたことか(笑)。