つい先日、家内がドキリとするようなことを言う。
「昔は、お父さん〔自分のこと)はモーツァルトの音楽を聴いて”涙が出るほどいいなあ~”とよく感激していたのに、最近はなんだかオーディオばっかり熱中してちっとも音楽のことを話題にしなくなったね~」。
フーム、言われてみるとそうかもしれない。言い訳かもしれないが、どうもこの暑さで集中力が散漫になっっているせいか最近、音楽にのめり込む気がしないのも事実。困ったことである。
自分の最近のブログでも好きな曲目の紹介など音楽関係の記事なんかにはまるで無縁、「スピーカーや吸音材をどうした」とかのオーディオ関係の記事ばかりで埋め尽くされているのが実状。
さらに普段の生活では何かにつけてケチッぽいが、CD盤を購入しない代わりにオーディオだけにはせっせと投資しているのも紛れもない事実。
因みにこの1ヶ月ばかりでオークションで落札した商品をざっと挙げてみよう。
8月21日 SPユニット「リチャードアレンのフルレンジ・ニューゴールデン8ペアー」
8月21日 SPケーブル「ウェスタン10m」
8月16日 SPユニット「ジェンセン・フルレンジ8インチ1954年製レア品」
8月16日 SPユニット「アルテック・フルレンジ8インチ403A」
8月 6日 SPケーブル「ウェスタン7m」
7月31日 SPユニット「フォステクス・エッジレス低域専用20cmアルニコ2ぺア」
7月31日 SPユニット「アルテック・フルレンジ8インチ403A」
こうやって書き上げてみると改めて気が付いたがスピーカー関連部品ばかり。
これも8月に入ってタンノイ・ウェストミンスターに中高域用として「アキシオム80」を取り付けるという大変革に付随して、これを支える低音用にと購入したものでアルテックの403Aなんかは故障したときのことも考えて2セット購入。
このうち特にお買得と思ったのは「ジェンセン」で1954年製のオールドタイプだったが磁石がアルニコで口径20cmなのに極めて力強い低音だった。
さて、話がつい逸れてしまったが「音楽&とオーディオ」との関係に戻ろう。
改めて言うほどのことでもないが、これはいわば「主従の関係」であり「目的と手段」の関係でもある。もちろん主が音楽、オーディオが従である。つまり、俗に言う「音キチ」という言葉は道を踏み間違えて倒錯している人に対する蔑称なのだ。
ただし、自分の場合明らかに「音キチ」とは違うと思っている。「好きな音楽をいい音で聴きたい」ただそれだけ。そして装置の一部を代えたり、ちょっとした工夫で「いい音」になったときの快感が忘れられないだけ。
「早くオーディオを忘れて音楽に専念せねば」との気持ちは常に持っているつもりだが「いい音」になったと喜んでいても、何回も聴いているうちに何かしら不満が出てきてどこかをいじりたくなる、その繰り返しで「やむをえなく」というのが実状。
今回の場合は当初使用した低域用のアルテック403Aが凄く良かったが段々と低域がブーミーのように感じてきて気になりだすともう居てもたってもおられず、違うSPユニットを試してみたくなったというわけ。結局前述したように「ジェンセンのフルレンジユニット」が抜群でこれでもう終わりにしたいと思ったほど。
とにかく、いろいろ言ってみても音楽を聴くのがおろそかになっているというのは事実でこれは素直に認めざるをえない。
歳を取るとともに音楽に感動する瑞々しい感性が鈍くなってきたせいかもしれないとも思うが、オーディオ仲間のM崎さんなんかは先日電話したときにお伺いすると、いつも音楽ばかり、それも中毒みたいになっていて今日は「バッハのカンタータ」を一日中聴いていたなんておっしゃる。
結局、音楽を聴かなくなった原因は自分に求めざるをえないようだ。
音楽を聴くのに何が必要かといえば、自分の場合はいつぞやのブログでも書いたが「心のゆとりと静謐感」である。「心のゆとり」の方は現在、宮仕えもしておらず自由時間にもたっぷりと恵まれているので該当せず、問題は静謐感の方だろう。
たしかに最近じっくりと落ち着いてものごとに対処することが少なくなっているように思う。全てにわたって何かと気ぜわしく短絡的になって動いている。
よ~し、これから段々と涼しくなって気候の方もよくなるので気持ちを落ち着けて音楽に専念するぞ~。