「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~オーディオ訪問記~

2007年08月30日 | オーディオ談義

音楽・オーデイオに極めて熱心な方(仮にBさんとしておく)が○○市に在住されており、まるっきりの初対面だが「いつでもどうぞ」ということなので知人のMさんと連れ立って音楽を聴きにお伺いした。

暑い盛りのある日、途中で手土産を購入して午後2時過ぎに予定通り到着。市の中心部からクルマで20分ほどの場所で敷地も十分余裕があり、専用のオーディオ・ルームを擁する建物も立派な洋館風で、音の方もさぞかしと思えるたたずまい。

互いに自己紹介をして早速オーディオルームに案内してもらった。まず目に飛び込んできたのが巨大なアンプなどの機器がずらりと鎮座。

大型の電源供給機器をはじめプリアンプ、CDトランスポート、DAコンバーター、プリアンプ、チャンネル・デバイダー、それにパワーアンプ3台(A級)。驚いたことにすべてが国産随一の高級ブランド「アキュフェーズ」の製品で見事に統一されている。

Bさんはオーディオ歴50年近く、ご年齢は70歳前後の方。好きな音楽のジャンルはクラシック一辺倒で、音楽は人類が残した最大の遺産だと言われる。これまで随分長く音楽を聴いてきたが、結局最後はバッハ、モーツァルト、ベートーベンに尽きるとのことで、その発言に年月の重みを感じた。

始めの試聴曲はベートーベン、それからバッハの無伴奏バイオリンソナタ、モーツァルトのK136、ストラヴィンスキーの春の祭典、また映像では大型の液晶テレビでNHKのBSハイを録画した小澤征爾指揮による演奏を聴かせてもらった。

結局のところ、約2時間ほどお邪魔しただろうか。丁重にお礼を述べてBさん宅を後にした。

以下、帰りの車中でのMさんとの会話を再現してみた。

T「Bさんの音楽に対する情熱にはまったく頭が下がるけど、はっきりいって音質がいまひとつ物足りない。オーディオはお金を掛けさえすればいい音が出るというものではないようで、何だかがっかり。」

M「そのとおり、しかし、考えてみるとお金を掛けないとやはりいい音は出ないのかという挫折感を味わうよりは我々にとっては逆にいいことなのかもしれない」

T「とにかくスピーカーがアンプに負けている感じ。音のバランスが悪くて、大音量でとても疲れる音。アンプに使う金をもっとスピーカーに回せばいいのに、誰か率直に意見をする人がいないんだろうか」

M「音量はこれでいいですかという気配りがないことひとつをとってみても、マイペースの人で他人の意見に素直に耳を傾ける感じの人ではなさそう。年齢も年齢だし、自分でよいと思っていればそれでいいんじゃないの」

T「高級ブランドの機器をポンと置けば簡単に好みの音が出ると信じ込んでいるタイプ。しかも、スーパー・ツィーターまで欲張っているので、かえって音を悪くしている感じ。それぞれの機器の能力が十分に発揮されていない。何だかもったいない気がする」

M「アキュフェーズの実力はあんなものではないと思うが・・・。電源の極性の点検、各音域のクロス・オーバーの見直しなどを詰めると、もっと音が良くなるはず。とにかく欲張りすぎている感じ。録音された音源をすべて再生するのが一番いいとは限らない」

T「再生音というものは、人間のイマジネーションで補う余地を残しておくことが重要な場合もあるということ? たとえば80点の点数を取って残りの20点は想像力としてイメージの世界で広がっていくような感じの音。小説でいえば行間を読んでいく感じ・・・。」

M「そうそう。写真も同じで被写体を寸分たがわず写すのがいちばんいいとは限らない。解像力と想像力のぎりぎりのバランスは、もちろん写し方にもよるが今でもドイツの昔のレンズに一日の長があるように思う。」

T「とにかく、もっと仲間がいて相談できる人がいればあんな無駄遣いに近いことをしなくて済むような気がして、Bさんにとっても大変不幸なこと。」

M「オーディオは自分ひとりの世界に閉じこもるとやはり発展性がなくなる。もっと他流試合をして広く他人の音を聴き耳を鍛えて情報を仕入れるといいのに・・・・」

T「知人のAさんもBさん宅の音に興味を示していたけど、今日の結果をどういう風に伝えようか本当に迷ってしまう」

M「・・・・・・・・」。


 



 

 

 

 


 


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