DVD番号 DLVC-8023
収録年 1971年
評価(A+、A-、B+、B-、Cの5段階評価)
総 合 A- 一流の歌手達による極めて上質の魔笛
指揮者 A- ホルスト・シュタイン(1928年~ )
管弦楽団 A- ハンブルク・フィルハーモニー
合唱団 A- 同上合唱団
ザラストロ A+ ハンス・ゾーティン
夜の女王 A+ クリスティーナ・ドイテコム
タミーノ A- ニコライ・ゲッダ
パミーナ A+ エディット・マティス
パパゲーノ A- ウィリアム・ワークマン
演出・舞台装置 A- オペラ映画として充実している
音 質 A- 惜しいことにモノラルだが鮮明な録音
上映時間 154分(カラー)
このDVD盤は、映画としてスタジオで作成されており、いわゆる「オペラ映画」と称されるもので、音声と映像が別々に収録されている。
指揮者シュタインはドイツ出身であのヴァントに指揮法を学び、1969年からはバイロイト音楽祭の指揮者としても活躍していた。
歌手陣の豪華さには目を見張るものがあり、ザラストロ役のゾーティンは容姿、音声ともに申し分なく役柄のイメージを十分発揮しており、CD盤の録音が無いのが実に惜しい程の実力。
夜の女王は、CDの部でも存分の実力を発揮したドイテコム(ショルティ盤)であり、ここでも安定感のあるコロラツゥーラを披露してくれた。
タミーノ役はやや歌唱力に不満があるものの、許容範囲だろう。パパゲーノ役も適役であり、パミーナとの二重唱も相性がよくなかなか聴かせる。
パミーナ役はあのエディット・マティス(カラヤン盤)である。天は彼女に美貌と美声という二物を与えたようで、とにかく映画俳優以上の容姿端麗さには驚いた。映像付きだと真価が倍以上になる感じで、彼女のためだけにこの盤を購入してもいいほど。
DVD視聴の場合は、CDの試聴と違って、音楽と音質に加えて演劇と画質が加わり、オペラ本来の大事なポイントになるが、このDVD盤はこの4つのポイントがそろった良好な盤であり、最初から幸先が良い。
154分の上映時間があっという間に過ぎ去ってしまうほどの密度の濃い魔笛で、ステレオに越したことはないがモノラル録音のハンディもそれほど気にならならない。
歌手陣が伸び伸びと実力を発揮した印象でこの豪華メンバーで是非CD録音をして欲しかったほど。指揮者シュタインの緩急自在の指揮も好ましい。
パミーナ役→エディット マティス