経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

リーダーの条件-2

2006年06月20日 | Weblog
 リーダーには、大きく2つの型があると考える。

外国、とりわけ欧米と日本ではリーダーのあり方が違う。欧米はヒトラーやスターリン、ナポレオンなどいわゆる独裁的英雄タイプのやり方、あり方の人物を理想のリーダーと見る傾向がある。

 対して、日本は豊臣秀吉などに代表されるタイプにその理想を求めている。日本人は庶民性をとても好む。また立身出世型を好む。こういう人たちの伝記や小説を読む。そしてそれらに自分や今の人を重ねてみたり、まねようとする。元総理、田中角栄さんを今太閤と呼んだりする。

 しかし中には、ヒトラー的リーダ1を模範にして行動してしまう人もいないことはない。だがヒトラー、スターリン的リーダーのやり方の根本は強制と服従である。 強制に従わぬものは監獄に入れたり殺したりする。殺される恐怖が「リーダー」の言う通りに動く人をつくる。こういう人間を組織に並べて、いわゆる軍隊組織、縦組織で、集権的に所期の目標を達成するようにもってゆく。

 第二次大戦以前の日本の軍隊組織はこれだった。ドイツなどから直輸入したのだからである。だが今でもこれをまねて会社組織をつくり、絶対服従を旨としている企業は少なくないのは、どうしたものだろう。

 敗戦したという結果論からだけではなく、こうしたあり方では人間の一人一人の力を十分に発揮できるとは思われない。

 たとえば軍隊では、一握りの幹部が、天皇の名を振りかざし、それを威として命令を発し、他のすべての人たちが絶対服従という組織であった。だから知恵の出し合いはごく少数の人間に限定されてしまう。一人の人間のもつデータは知れている。目は2つしかないのだから観察点も狭く、小さく限定的である。だから狭い視野で情勢を見て、少ない知識で、小さな利害で判断して全体組織を動かすことになる。これは全体の1~2%しか見ないで判断することだから、まず当たらない。判断がはずれると仕事はリスクが大きいことになる。