経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

理念と戦略の浸透には信頼関係が前提と大声で叫ぶ大晦日

2005年12月31日 | Weblog
 今年も、あとわずか。ご多忙されていることと思います。

以前いただいたメールを読み返しております。
前回とダブルかもしれないと思いつつ、思うことを書いて見ます。

 理念を浸透させるには、ということですが、これは熱っぽく従業員さん、お一人お一人に語りかけ続ける以外にありません。

 戦略もそうです。ただ戦略の場合は、相手の戦略も聞いてあげて、それを共有し合う、できれば統一化ということでしょうが、これは相手に妥協を迫ることが多いので、むしろ共存共有を、というところまで持っていく。

 いずれにしても、人間対人間としてのお付き合いの中で浸透させていくことが、一番の早道です。会社、社長として、相手の方の夢、実現にどう協力できるか、という側面抜きに、こちらの戦略を押しつけても、ムダになりましょう。

 理念と戦略を浸透させたその上で、「戦術は委す」のです。断定できますが、これがほとんどの経営者が出来ていない。委すといいながら口出ししている。

 この委すことが、なぜ大切かというと、任せる、委せるということが、「おまえを信頼しているよ」という強い、確固たるメッセージとして相手に伝わるからです。まかせるということが徹底されれば、相手の方が社長が自分を信頼している、ということを理解しますし、それが彼らの社長への信頼となります。

 ですから委すといって口出しすると、社長との信頼関係は崩れ、嘘つきと彼らは受け取ってしまうのです。

 いわゆる夢を語り合える、夢を果たし得る仲間づくり集団こそ、目指されるあり方だと思います。
 
 最高のお正月、最高の新しい年となりますよう、お祈りしています。
 ありがとうございました。

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集客にはふんどしと一本釣り

2005年12月30日 | Weblog
 集客のコツ、ですか。そうですね。遠回しの話でいいですか。

 人は、講演会など実は参加したくないのです。無料ですらそうです。
ではなぜ参加する人がいるかというと、何らなの利が、だれにでもない自分自身にある場合のみ、ほんとうに、「のみ、だけ」。会社の利のため、といっても自分の利がある場合、「のみ」です。ここで、利とは、名誉、金、得、救い、横並び、かっこよさ、業績向上、メンツ、救済、まだまだ、いくらでもありましょう。
 その人、固有のものも、みんなに共通するものもあります。
 前者が自己の利、後者は我が社糊、我が町の利、我が国家の利。

また、お金といった物質にかかわる利と精神的な利とに分けることも出来ます
。後者は落語、演芸、音楽コンサートなどですね。経営講習会は、どちらかというと前者。でも名誉の為とかかっこづけに、とか義理でさんかとか、後者に属する動機も結構あります。

 ですから経営講習会の集客を考える場合、相手様の利に訴えて、相手が参加したほうが得だ、とよだれをだす状態を、主催者側が考え、手を打つ。それが仕事の肝心です。

 そのために、人のふんどしを活用することを考えれば、手が足りない。時間がない、といった苦労は軽減できます。

 ではそのためにどうしたらいいか。簡単です。誰しも人のため、人の指示で、人のために、下請けで協力したいとはおもわない。やるにしても自分が中心になってしきってやりたい。その自己欲求を満たしてあげなる。今風に言えばネットワークの活用、つまり他人のふんどしを、以下に使うか、です。
 
 私の経験では、同級生の中で、一番出世したものが、裏で好かれない。曰く、最大のあしひっぱりは、友人の中にいる、といったことは、こうした人の心理の表れだと思います。。これがだれにでもある心理です。
 こう考えてみると、つまり自分を中心に、ものを進めるのは、うまい手ではない、と言うことです。

 これは、あんたが主役、あんたのとくになるで、といった個々の利を説く一本釣りが有効だと言うことです。
 
 ネットワークの活用(ふんどし)と個々に利を説く一本釣り、ここに集客だけではない「秘訣」があります。

 こんなことしか、浮かんできませんが、少しはお役に立てましょうか。こんな寒い日でも、庭に砂糖を置いておくと、蟻があつまっていた。10匹も。
 これなんですね。蟻が十、ございました。 


抜かれた。見事だ。小城さん、おいつくぞ。

2005年12月29日 | Weblog
 今年も、小城社長みずからお歳暮を持参。恐縮している。私は手抜きして、メールで御礼をしたら、昨日、手書きのハガキで、そのメールに対しての礼状が届いた。いやはや、師匠形無しである。が、嬉しかった。彼は、脳力経営塾の最古参メンバーなのである。

 彼の会社はお菓子屋もやっているが、自社製品をお歳暮には使わない。この1年、彼が全国を回って出会った経営者の商品で、これは、というものをお遣いものに使う。

 鹿児島薩摩川内市にある小城製粉㈱は、元来小売店。それが川下に戻る形で製粉業にも進出という珍しい業歴を持っている。そのため全社員がお菓子の売れ行きを見て、どういう粉を重点的に作ればいいかを考えるのが、初代の時代からの社風みたいになっている。
 
 粉が売れるのはなぜか、粉を必要とするお菓子が売れるからだ。ではお菓子が売れるのはなぜか。お客様が、そのお菓子をおいしいといって買って下さるお客さまがおられるからだ。だったらお客様が好まれるお菓子を知ることが何より肝要ではないか。そう考え社長に就任した年久さんは、製菓部門は、製粉業のために製菓部門を、製粉業のために戦略的に「消費者との接点」と「情報集基地」として明確に位置づけ活用することにした。

 すなわちこれまで以上に取引先の菓子製造小売店の店頭で売れるお菓子を、「のせ菓子舗」を通じて、積極的に提案していくことに力を入れたのである。また売れるお菓子屋が増えれば、当然自社の取引が増えると、納入先の菓子店への指導に力を入れている。営業のない売れるシクミを作りあげたのである。

 薩摩川内、隈之城にある本社工場は誰が見てもオンボロ工場だが、中は日本一の品質管理と最先端の設備を誇る。年商19億の会社だが、会長と社長室などなく、古びた学童机を2人で兼用。お客に近いところには大枚を、そうでないところは1円玉を2つに割って使う見事さである。

社長とは24年のおつきあいだが、消費者との接点部分、たとえば苦情など必ず社長自ら担当。その姿勢、まったく一貫しており、いつも頭が下がる。

 戴いた、手書きでぎっしり表面まで視、最近の心情やらを綴られているハガキを何回も読み返しながら、涙が出るぐらい嬉しかった。小城さんの成長、見事さに対して、最近の私はなんだろう。こんどは、私が追いつかねばならない。それもまた楽しみである。

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関連商品 、たたは連想ゲーム

2005年12月28日 | Weblog
いつも通る国道へのつながる県道沿いに、7年前に高齢者を対象とした病院ができました。木造でしやれた建物です。病院より広い駐車場も山を削ってでき、1年後にそこの一部に薬局ができました。

 そして、その2年後にその向かい側に小規模の養老院。そして介護・ケアーサービスセンターがその隣に完成しました。
ここまでは最初のお医者さんの経営です。
 
 それから3年、昨年緒8月、地元の建設会社が、高齢者向けのケア・介護付の大きなマンションを完成させました。
 
 昨年11月、そのマンションの前、最初の病院の百メートル隣に、「葬儀場」が。建築主は、お医者でなく地元の大手の葬儀屋さん。

 これは、関連商品の陳列、あるいは連想ゲームと擬する人どもの浅ましさよ。


問題にならない

2005年12月27日 | Weblog
事業を「繁盛」させるには、2つのことをやる。1に繁栄を阻害している要因を見つけ、これを除去すること。2にその除去した後に、繁栄する要因を入れていくこと、である。

 当たり前のことだ、と皆笑う。その通り、当たりまえのこと。
だがその当たり前のことを笑うあなたは、それをやっているかな、と私は嗤いたい。

 巷で行われている経営革新なるものは1をやってない。やったとおもってもやれてない。いきなり2だ。1に関係なく2に取りかかる。問題(式)がないのに、答えが先にでる。どこからか答えを持ってきて、当て込んでいる。
 うそとおもったら、今すぐ自分の部下に、試みてほしい。MMAPをやってないとみな、答えを先に考え、出す。

 その証拠に、「貴社の問題は?}と問うと、「売れないことですわ」とか「競合店が増えましてね」、「人材がおらんのですわ」といった、まったく問題にならないことを挙げる。

 最近の話である。我が社の問題に、「職場が暗い」と挙げた経営者がいた。笑いたくなるのを我慢して、その対策をまった。対策、「明るい職場にする」。
 彼はまた、「最近遅刻者が多い」と問題に挙げていた。対策は「遅刻をしないように徹底する」。

 笑っちゃいけない。この程度があなたのライバル。ですからちょいとMMAPで革新を、やれば、たちまち差別化できる。だがその前に、この例に挙げた経営者が、あなたでないことを確認しておいて欲しい。

そういうの空念仏っていうのですよ

2005年12月26日 | Weblog
商店の原点は、「地域貢献。品質保証。顧客主義」。こうしたことは、企業事件を起こした会社も、社員のリストラに熱心な社長でも、皆掲げ、毎朝唱和しています。では具体的に、現場で目の前のお客にそれをどう伝えているかどうかになると、?なのです。これでは笑えない笑い話。

あなたのところも、地域貢献。品質保証。顧客第一主義といったことを言ったり書いたりしているだけじゃないですか。それ、全部自分の自己満足、どこかの会社か、誰かが唱えているからやっているだけじゃないですか。自分で考えたことじゃないでしょう。借り物なんだ。

商いは、自分のことや、将来(さき)のことを言った書いたり、考えたりすることではなくて、今、お店に立っているお客さんのことを、個々具体的に、真剣に案じる。この共感が本質なんです。そこから滲み出てきたものが、あなたの経営理念です。目の前のお客さまのことや、今の大切なことをやらず、唱えたり貼り札に書く、他人の聞こえの良い言葉を探しまくるっている。新しい宗教でもやろうというのですか。そういうの空念仏っていうのですよ。(最近の講演から)

私にも1日早いサンタがやってきた

2005年12月25日 | Weblog
「 (前略) 長い景気後退・不景気で、同業者がこの2年の間に2分の1ぐらいに減少しました。今後この5年で3分の1になるだろうと思います。うちみたいな零細企業は、どうしたらいいのでしょう。(後略)」、

9年前、Yさんから頂いた手紙である。

 私は、これはYさん、チヤンス到来と思った。この業界は、需要に対して業者が余りにも多いことで知られている。コップの大きさに対して、注がれる水が多い場合は、多い分がこぼれる。需要=供給になるまで、こぼれは続く。だがコップの中の水は、こぼれない。

 零細企業と卑下しながら、今のところ。Yさんのところはコップの中に入っているのである。それに、もし同業者が5分の1なるというのであれば、多分に需要はそれだけ急激に墜ちる性質のモノではないから、その減少速度の差の分、残ったところは平均すれば3倍から5倍は売上げが増える計算だ。

「Zさん。いやー。こんなチャンスがありましょうか。残る方に回るためにはどうしたらいいかという命題をクリアすれば藏が建つ。それも難しくない。現に今、残っているのは、その何かがあるからですよ。何もなければ、とっくにおっしゃるとおりうちみたいな零細企業は、、、ということになっているはずです。その何かを掘り下げて見てくださいな。私が、Yさんなら、唐戸のフグと六日町の八海山取り寄せ、Y、Y、前祝いする」。

 その後、音信不通。

 そのYさんから、一昨日、ホームページみて勉強させてもらっちよる。藏は建てなかったが弟のために、支店建てた。唐戸のフグと六日町の八海山は取り寄せていないが、魔王と薩摩揚げで、その御祝いをした。今年の5月の総会で商工会長になった。気分爽快、身体快調!、8月、ババ死んだ。年賀失礼」、 と今度はメールで便りがあった。

 おばあちゃんが生きていた昨年までだって、年賀など寄越したことないのに、
と笑った。「Yさん、がんばったね。お歳暮に魔王とフク、贈ってくれたら、本当に藏建つのだけどね。」 

IT上での内緒話はそぐわない

2005年12月24日 | Weblog
 またかと、がっかり。これも「キー」が付いていて、申請しないと入れないのである。なんでもない、ただのBBSなのに。そのまま閉じた。

 私は家にいるときには、12-1時に寝て、6時に起きる生活パターンで、朝はまっさきにパソコンに向かう。まずメール。前夜寝る前にチッックはしているので、メイワクメールを抹消し、返信メールに取りかかる。そしてブログへの書き込み。つまり執筆、2時間。

 今日は小泉さんのメールが届いていた。このメール、今回の予算折衝や経済対策、政治課題を骨太に、国民向けにわかりやすく伝えている。政府が為していることを情報開示することで。国民が知れば、後で利権屋どもが、骨抜きにしてもその事実が国民にわかる。実に上手い手法だ。これが、私がいう国民を背に付ける、という意味なのだ。企業経営も、消費者を味方に付ける戦略を採らなければ、いわゆる「わけのわからない企業」と印象を持たれ、それは胡散臭い、不透明と連想が広がる。

 ヤマト運輸が、あれほど当時の運輸省から叩かれても、伸びていけたのは、消費者が背に付いたからである。企業としては運輸省に勝てなくとも、国民を味方にしたら勝てる。消費者を背に付けるための最低条件の一つは、情報開示なのである。

 それを経営のことはパートには知らせない、といった会社があったら、その会社、というより、経営者は、おまえ達を信頼してないんだ、という情報を流したことと同じなのである。信頼されていないことを知った従業員は力を発揮できるだろうか。
 そういう意味で消費者への情報開示は、信頼の表しになる。自分の会社の従業員すら、信頼していないところが、第三者の消費者を背に付けることは難しい。だからダメになる。
 BBSにキーをつけるのなら、非公開設定をすればいいことである。キーをつけると言うことは「特別な人だけで、あなたには見せられませんよ」というメッセージをその特別な人以外に、言っていることになる。

 中国やローマの紀元前からの歴史をみても、長期継続の国は、国民を背に付けた国家であって、国民を制圧した国家ではない。愚かな王や帝は情報操作により国民を欺く。かっての日本の歴史もそうであったし、いまでもそうした国家は少なからず存在している。では問う。「そうした情報不開示の国に住みたいか」
 ノーだろう。だったら自分の企業も可能な限りオープンにしていくことだ。

 ITそもそもが、そうした時代の流れを受けての、情報開示のための巨大なツールなのである。IT上での内緒話はそぐわない。

「対」の想い出

2005年12月23日 | Weblog
 小学3年の頃、夏休みの1月を山・田舎の母方のジジのところですごした。ジジがメジロを2匹、採ってきてくれた〔今は禁止されている)。一日中、眺めて過ごした。翌年の夏ジジのところへいったら、5羽になっていた。「どうして?また捕まえてきたんか」。じじは「つがいだから、増えたのじゃ」といった。「つがい、なんでふえるん?」。 辞書を持たない私は、村の図書館にいって、気になっていることを調べた。対(つい」という言葉の出会いであった。
 
対立は、わたしが弱虫だったから嫌いな言葉になった。「しじょう」と「ぼくじょう」は管理のイメージがあるから、すきでない。もう一つの掲示板を「羊たちの市場〔まきば)」と改名した。私は、市場(しじょう)は好まない。「いちば」が好きだ。牧場(ぼくじょう)もいやだ。「まきば」がいい。対(たい)は大嫌いだ。「ツイ」が好きだ。

 ちなみに、対(たい)の関係は、Vという字を逆さまにしたものでイメージすると、わかりやすいが、片方が無いと、もう片方も倒れる。つまりどっちでもいい。引けば成立しないと言うことだ。だが相手が引区か引かぬかは、相手の意思決定だから、自分の意思決定で簡単にできる、「自ら引く」を、私はやる。

 3年後の夏、10羽にもなっているであろうメジロ達を見たさに、父母より先にジジのとこへ。
 メジロはいなかった。ババが金持ちになるようにと金蔵と名付けたバカ猫が、ひもじさにガマンできずに食っちゃった。
 ババと金蔵は、この夏中、私から嫌われ、追われる羽目になった。こうして私は、また嫌いなものが2ツ増えた。猫とババだ。

名士ではないが、名刺はいろいろ。

2005年12月22日 | Weblog
 県の公職の関係で作ってもらう名刺。どうせならと、番地だけの住所。携帯だけの電話記載と我が儘を加えてもらった。最初は農業関係だけにと思ったが、これが皆さんから、興味を持たれ年間400枚ぐらい使っている。県の型どおりのときは1年で100枚しか出なかったのに。みなさん、1913番地という超短い住所に驚いて「これで郵便は大丈夫ですか。つきますか」と尋ねられる。「出していただければつききます」
 「いあや、これは珍しい。私もやってみよう」と言われる。(未だだれもやらない)県至急の型ど折、すり込みの名刺ですら、関心を持ってもらえる。同じ経費でも、効果は違いが出せる、と生意気言いたかったのである。

 達人は県の命名。おこがましいが、農業の指導歴22年。林業17年だ。