脳を働かすには、行動することです。
動くことは脳を使うことになるからです。
動けば、無意識にせよ、意識せよ脳を使うことになります。
無意識にせよ、意識せよと書きました。
行動には、無意識的行動と意識的行動、この2つがあります。
そこで、脳力開発、すなわち脳の働きを開発させるためには、
日常の何気ない行動を意識して行なったり、
新しいことへチャレンジし、それを無意識にできるようにする。
この2つが不可欠になります。
私が、タノウエ脳力経営塾などで、皆さん方に、
「無意識でやっていることを、意識してやりましょう」
「意識してやっていることを、無意識にやれるようにしましょう」
と口癖のようにいっていることです。
このことで、脳は間違いなく、著しく活発化します。
「考えてから行動せよ、という言葉もある。考えの方は、どうか」
といった、質問がありました。
ここでは少し乱暴ですが、考えは行動の後に必然的に出てくる。
それで、行動の積み重ねの過程で生まれ出てきたものが
脳の中で熟成され、知恵になる。
そう考えて頂きたいのです。
しかし、いかに行動とはいえむやみにそこらを走り回っても、
大した成果は得られません。
行く方向が定まらないと、エネルギーは分散しムダになるからです。
そこで、「かねがねから戦略を確定しておくこと」。
このことがとても重要になります。
そもそも行動の方向が決まらないと、行動のしようがない。
脳は働きようがないのです。
脳力開発ではこの行動の方向を「戦略」と言っています。
そしてそこへ行くための様々な手段を「戦術」と呼んでいます。
無意識にしろ、意識的にしろ、
行動は、それぞれの場面での脳の判断、指令によるものです。
脳細胞のシナプスの組み合わせは無限です。
ですから、そこに一定の目的指向がなければ、
脳はその分別に迷い、混乱し動けなくなります。
そう言う意味でも、もともと脳の本質は、
戦略/目的指向になっているといいでしょう。
それも、生まれたままの時は、
いわゆる真、善、美といったものであったと思うのですが、
それがだんだん環境に汚染され、歪み、濁ってくる。
口では立派な経営理念を唱えているけれど、
実際行動は、ひたすら儲けのために
不真、不善、不美をしているところが
新聞などを賑わせているのは、その典型です。
これを正すために、
「無意識でやっていること(を糾し)、(新たな正しいことを)意識してやる
ということの必然性がある。こうことです。
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人にしろ、企業の革新にしろ、まず革新を計るためには、
「過去のしがらみ、経験と習慣を捨てること」
と、申し上げているのは、ここに根拠があります。