「うちの値下げ攻勢で、そのうち競合店が脱落するから」
ということだろうが、その願望は相手も持っているから泥仕合になる。
そもそも願望的要素を戦略に組み込むこと自体重大な誤りである。
それにこの値引き対策の結果、客層ががらりと変わってしまう。
このことは当たり前のことなのだが、案外に見過ごされ,
そして、後々の危惧要因になっているのだ。
混ぜなら、客層が変われば、
企業の戦略、コンセプト、方針等々との整合性に
ブレや齟齬(そご)が出る。
時には、企業の根幹を再構築する必要すら想定される。
ところが、これだけ値下げ戦略が話題になる中で、
そうした問題が論議、検討されるという話は聞かない。
ということはほとんどの企業が、値下げ戦争は、
他が脱落するまでの臨機体制、一過性的とみてよい。
最近、ある経営評論家が、デフレ時代においては、
皆さんの会社も例外なく低価格旋風に巻き込まれ,
好むとこも先ずとも関わりなく低価格戦争に泣き込まれます。
ですから、早めに低価格戦略に転換しないと生き残れません、
と言っていたが、私から見たら,無責任きわまる発言と考えている。
だってそうではないか。
お金の価値は変動する。その変動に連動して
「ものの価値=物価」が上下する。
それで上がるのがインフレ、下がるのがデフレ。
今、間違いなくそのインフレ時代だ。
だから、低価格商品を作ったら、作ったその商品の価格が
価値が下がるのである。
それは、下り坂、アクセルを踏み込み,加速せよ」
といっていることに他ならない。・・・・・