デイブさんもきっとこんなにお魚がいるのに早く釣ってお互い楽になろうねと、逃がした後私に熱い目線を送ってくるのです、あ~辛い!
彼らの釣りスタイル、ルールは非常に厳しい。ドライフライで反応無ければニンフそれも真っ赤なインジケーターをつけると、NOGOODOと言われあせってキャストすれば水面をラインで叩いて魚は何処かえ!どうすればいいの、私は。
それでですね、やっとお魚が引っかかってあげようかなと思う位ゆっくりと私のフライをくわえてくれたのです。本当ゆっくりでした。
ヘッドアンドテールひと呼吸置く位の食べ方でした。それからが大変、日本ではラインで魚とのやりとりしていますが、少しは慣れたつもりですが魚は突っ走る、ラインは足で踏んでるし、指にも絡み手元ばかりみているとどんどんラインは出て行ってしまい、でもリールから出て行くラインの音は気持ちいいのですが、止めようと必死で指で、ラインを止めるのですが摩擦で指が熱い。
魚も少しお疲れになったのか動きを止め少しテンションを感じる気持ちの余裕?
ロッドを左手に持ち替えやっとラインをリールで巻き始めやっとお魚とのやり取りが始まります。
これからが勝負!お魚との1対1 巻けば引き戻され綱引き状態です。デイブが巻け巻けと英語のような日本語で叫び私も訳がわからないうちにデイブさんの指示に従っていました。
(FLY用語はイギリス、私は英語を理解していたかも)
そして魚の姿が私に徐々に近づいて来るのです。私の頭から大量のアドレナリン出ていて心拍数も最高潮、切れたらあかん!ティペットも。
デイブのおっさんもなんとかランディングしょうと川の中両手でネットをもってどじょうすくいのように、魚を追いかけまわしているのです。私もネットのほうに魚をもって生きたいのですが、魚も命がけ言うこと聞いてくれません。
切れるならティペットと祈りながら切れるとお互い悔いが残る!
たのむから、ネットに入ってください写真撮ったらにがしてあげるからね、お願い神様、仏様、キリスト様、デイブのおっさんも真剣に魚の動きを見ているし、そっと魚の後ろからネットを出すのですが、魚も感じるのか飛び跳ねるしラインはまた出て行くし、またたぐり寄せ、デイブのネットに魚を近づけ魚も疲れたのか一瞬動きが止まりその時デイブが静かにネットの中にすくいあげたんです。
一瞬の間が空きそして歓喜の雄叫び!!、デイブはネットに魚がはいったまま万歳していました。釣人、ガイド、お互いの気持ちが本当に1つになりました。お魚はつらせてあげました、釣人は釣らせて頂きました。
デイブと力の限り握手し抱き合い涙が出そうでした、コミュニケーションも取れないけれど釣人の気持ちが1つになりました。そうしてこの時の記念の写真、手紙を送っているうちに来年もNZに来るのなら、休みを取って一緒に釣りに行きませんかと、彼が誘ってくれました。
(当時は、やっと少しFAXが普及しmailなんて言う物は無かったの!)何か気持ちが彼と会ったんでしょうね。日本人同士でも会う会わないが有るように、他のガイドともつりをしたけれど、彼のように通じ合えませんでした。
この何か不思議な感覚をお互い感じたんでしょうね。魚が人を繋ぐのか、サカナヘンな変な人達は大好き!
これを期に彼との(デイブのおっさん)長いお付き合いが現在まで変につづいてしまってます。心に栄養を!を頂きに来年も再来年も人とお魚に愛にいきます。
ISHIMORI
石森 睦氏のプロフィール
カメラマン、大阪市立工芸高校写真科卒業、FLY歴・27年、マラソン歴・7年、年1回のニュージランド通い20数回。
この石森氏は偶然にも私(佐藤)と同じ高校でした。