「KHV感染耐過魚の現状と問題点」
Hedrickらが、1998年にイスラエルやアメリカ合衆国で発生したコイ(ニシキゴイ)の病気は原因がコイヘルペスウイルスであると発表し、その存在が知られるようになった。
コイと名前がつけられていることから、海外ではニシキゴイのことをコイ、黒コイのことをカープと言い。名前から当初はニシキゴイに感染するウイルスとして認識されていたが、その後、ニシキゴイ以外のコイに被害が発生することが解った。また、フナやキンギョには感染せず、コイに特異的なウイルスである。
30℃で不活化するためにヒトへは感染しない。コイがウイルスに感染しただけでは外観からの診断は困難であるため、現在ウイルスの検出にはPCR法という目的のDNA配列だけを増幅する方法が主に用いられている。
アジアでは2002年、コイ養殖が盛んなインドネシアで黒コイ養殖場で発生し、その後台湾で流行が確認されている。また、中国で発生しているとの報告があるが、中国政府は認めていない。
日本では2003年5~6月に岡山県で発生したが、当時は不明病とされていた。その年の10月には霞ヶ浦の養殖生簀の黒コイの大量死があり、この診断によりコイヘルペスの持ち込みが確認された。同時期に淀川本川でもコイの大量死が確認され、水生生物センターでコイヘルペスウイルス病によるへい死と診断された。
このヘルペスという言葉は知ってる人も多いのでのはないでしょうか、人にも多くのヘルペスウイルス感染症があるのは知られていますが、この事も書かれていますので、記載します。
ヒトの単純ヘルペスウイルスと知られているのは
Herpes simplex virus type 1:HHV-1(human herpesvirus-1)
Herpes simplex virus type 2:HHV-2(human herpesvirus-2)
HSVタイプ1は、主に口唇へルペスを生じ、ヘルペス口内炎、ヘルペス角膜炎の原因となるとともに三叉神経節に潜伏感染する。三叉神経節は12対ある脳神経の一つで、三叉とはこの神経が眼神経、上顎神経、下顎神経の三神経に分かれることに由来し、脳神経の中で最大の神経である。
HSVタイプ2は主に性器ヘルペス、新生児ヘルペス、ヘルペス髄膜炎、ヘルペス脊髄炎の原因となる。脊髄神経節に潜伏する。
ヒトの単純ヘルペスウイルスはインフルエンザウイルスなどと違い一度感染すると、体内の神経節に潜伏し、疲れなどにより、免疫力が低下した時などに再活性化し症状が現れることである。
米国では、再発性ヘルペスウイルス感染者に対し毎日その治療薬アシクロビルを一年ほど服用させることでその後の再活性化を抑えようという治療が認可されている。日本でもこの治療法が検討されている。
コイヘルペスウイルスも同様のことが考えられ、一度感染すると、神経に潜伏することが心配される。
<昨日・今日の出来事>
30日、大阪湾会議が行われました。
釣り場の巡回についての話などの事、また書きます。