佐藤功の釣ったろ釣られたろ日誌

釣り・釣りの思い出・釣り界のこと・ボヤキ.etc

釣堀「じゃのひれ」についてⅢ 

2010-10-29 18:00:38 | 日々の思い
ある朝、山にお盆のシキミを採りに行った農夫が池のほとりにさしかかると、霧の立ち込めた池の水面から、すーと着飾った見たこともない美しい娘が現れた。身の丈、なんと十丈(約30メートル)あまり・・・。
度肝を抜かれた農夫は一目散に山を駆け下り、家に帰るや布団をかぶって寝込んでしまったという。

誰も「池で巨大な美女を見た」という農夫の話を信じなかった。1年が経過して翌年、お盆の季節が巡ってきた、先祖を迎えるために、お盆の飾りのシキミ採りに下男と連れだって出かけた村の庄屋さんが、朝霧に煙る池辺で、見上げるような背丈の絶世の美女に遭遇した、下男は腰を抜かし、わなわなと震えるばかり、唇は紫色だった。

庄屋さんは咄嗟に「南無大師遍照金剛」の経文を唱えたという。昨年は取り合わなかった
里人も今回は庄屋さんの話、下男も目の当たりにしたと云うので信用しないわけにはいかない。以来、二つの池を誰言うともなく「美女池」とよぶようになったのである。

これを伝え聞いたある法師は「大蛇は川で百年、海で百年の修行を積んでようやく竜となり、竜巻を起こして天に昇る、池に現れた美女は大蛇が修行中、退屈しのぎに大きな娘に化け、里人をビックリさせたのであろう」と語ったと伝えれている。

美女池にも深い大きな洞窟があったために、「潮崎」の磯にぽっかりと開いた洞窟と互いにつながっていると人びとは信じ込んだ。

この話は鳴門の竜巻(渦潮)の解き明かしに、南淡路の村里で口伝えに受け継がれてきたという。古老は「美女池という名前はたしかにあとからつけられたもの、お盆にはご先祖さまにシキミをお供えするなど、土地に伝わる習慣を大切にする、心優しい、夢のある子に育つようにとの願いをこめて語り継がれてきたものであろう」という。

心優しい夢のあるに加えて、いたずら好きで、昼寝も好む大蛇にあやかって、ちょっとお茶目で、ユーモアがあり、磊落(らいらく)な子供に育つようにとの願いも込められているように思うと八木氏は書かれています。
コメント
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