要旨
本稿は『源氏物語』と『枕草子』の植物に関する語彙をカウントし、紫式部と清少納言の使用頻度の高いものを取り上げた。主に広川勝美『源氏物語の植物』などを用いて考察した。そして、両作者の植物に関する趣味、嗜好の違いなどを調査した。調査結果は、『源氏物語』は植物を人物や内容と合わせて効果的に使用して演出しているのに対し、『枕草子』は衣服の色に関する植物が大半であった。中でも紫に関する色が多かった。紫式部の思慮深い性格、清少納言の好奇心旺盛さが感じられる。
本稿は『源氏物語』と『枕草子』の植物に関する語彙をカウントし、紫式部と清少納言の使用頻度の高いものを取り上げた。主に広川勝美『源氏物語の植物』などを用いて考察した。そして、両作者の植物に関する趣味、嗜好の違いなどを調査した。調査結果は、『源氏物語』は植物を人物や内容と合わせて効果的に使用して演出しているのに対し、『枕草子』は衣服の色に関する植物が大半であった。中でも紫に関する色が多かった。紫式部の思慮深い性格、清少納言の好奇心旺盛さが感じられる。